loader image

【第60回】特定活動

長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士の竹内です。

先週から引き続き寒い日が続いていますね。私も、自身の仕事はお世辞にも忙しいと言える状況ではない(つまり、暇)のですが、先輩のお手伝いや相談業務で外出する機会が時々あり、そのたびに寒さを実感しています。

前年の今頃も寒かったのは間違いないのですが、具体的な寒さを覚えていないこともあり、今年のほうが去年より寒いのではないか?と感じてしまいます。

暖かくなるまではまだまだ時間がかかりますが、頑張っていきましょう!

 

ということで、今回は「特定活動」という在留資格(ビザ)について書いていこうと思っています。この「特定活動」については、前回のブログでご紹介した「定住者」と同じような役割を果たす補完的在留資格という側面が強いものです。具体的に見ていきましょう。

 

【在留資格「特定活動」とは?】

特定活動ビザは「法務大臣が、個々の外国人について特に指定する活動」と定められています。

技術・人文知識・国際業務、経営・管理等のようにその活動の内容が定められている在留資格(ビザ)であれば、それらの在留資格(技術・人文知識・国際業務、経営管理等)が付与されて、その在留資格に応じて、その在留資格で定められている活動を日本で行うことができるようになります。

これに対して特定活動は、上記の技術・人文知識・国際業務、経営・管理等のように既に決められている活動に該当しない活動を日本で行いたいという場合において、それを法務大臣が認めて、個別に許可をするという在留資格(ビザ)なのです。

前回の「定住者」と同様ですね。定住者も、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等のいずれにも該当しない身分・地位を、法務大臣が認めて、「定住者」として受け入れることを可能にするものでした。

 

【告示特定活動と告示外特定活動】

特定活動は、またまた前回の定住者と同様に、「告示特定活動」と「告示外特定活動」に分かれます。前者は、よくある類型をあらかじめ告示に定めておくことで、入国・在留手続きをスムーズにさせることができ、後者はその告示に載っていない活動について、その都度法務大臣が個別に判断して、許可を与えるというものです。

したがって、告示特定活動は在留資格認定証明書の交付が受けられ、告示外特定活動はそれが受けられないということになります。この点も、定住者と同様です。

なお、告示外特定活動の在留資格を持って在留しようとする場合には、まず「短期滞在」の在留資格(いわゆる観光ビザ、短期商用ビザ、親族・知人訪問ビザ等と言われる。査証相互免除国であれば、不要の場合もあり)で来日し、その後、短期滞在から特定活動への在留資格変更許可申請をすることになります。

 

【告示特定活動】

告示特定活動には、以下のようなものがあります。告示特定活動は、前述のとおり、在留資格認定証明書の交付も受けられます。なお、下記は一例であり他にもあります。

・家事使用人(高度専門職外国人等一定の者のみに認められる)

・アマチュアスポーツの選手及び家族(報酬要件、雇用契約等の条件あり)

・インターンシップ(就労)

・国際文化交流

・外国人建設就労者(東京オリンピック時のもの。現在は新規不可)

・日系4世(在留期間の上限、日本語能力等条件などあり)

・看護師候補者、介護福祉士候補者、看護師の家族、介護福祉士の家族(インドネシア、フィリピン、ベトナムのEPA(経済連携協定)等)

・高度専門職外国人の就労する配偶者

・高度専門職外国人又はその配偶者の親(世帯年収要件、一定の家庭事情要件あり)

・外国人起業家及びその家族等(これは、個人的に実用性に乏しい制度だと思います)

・本邦大学卒業者の就労活動(日本語能力、契約条件、職務内容等条件あり)

※上記列挙した最後の「本邦大学卒業者」については、以前のブログで詳しく説明していますので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

 

【告示外特定活動】

告示外特定活動は、実は便宜上そう呼んでいますが、入管的には存在しない在留資格なので、仮に「告示外特定活動について相談したい」と入管に言っても「そんな在留資格はありません」と言われることもあるようです。

しかし、過去の実例・実績の積み重ねから、以下のような「告示外特定活動」が許可される可能性があります。なお、以下もごく一部の紹介です。

・日本の大学や大学院、専門学校を卒業した者の就職活動

・海外の大学を卒業後、日本の日本語学校で日本語を学んで卒業した者の、卒業後の就職活動。

・海外に身寄りのいない高齢の親の呼び寄せ

・外国人同士の両国で適法に成立した同性婚者(本体者が何らかの在留資格を持っていることが必要)

・17歳までに親に同伴して入国し、日本の高等学校を卒業後、就労を希望する者

なお、上記の告示外特定活動の許可要件に関しては、過去の事例・実績等を参考に弁護士や行政書士の先生方が書籍等に残してくれていますが、他の在留資格以上に、許可を取るのが難しいのが原則です。ただし、一部の類型については、比較的扱いが定着しているものもあり、一概に全て許可を取るのが難しいというわけでもありません。

 

以上、今回は「特定活動」についてその概要を説明いたしました。

最後までお読みいただきありがとうございました!