長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士、竹内です。
来ました。完全に来ましたね。
花粉症です。全部来ました。鼻水止まらない、目がかゆい、肌もバサバサ、のども痛くて、咳も止まらない。まだ旅行会社のカウンターで働いていた頃の地獄と比較すればマシですが、本当に最悪ですね。やらなければならないことがあるのに、花粉症のせいで手に付かない・・・。
まあ、愚痴を言っててもしょうがないので、今週も頑張っていきましょう。
ということで、ブログ開始します!
今回は、「外国人の会社設立」ということにスポットを当てて書いていきます。そして、会社設立と密接に関連する在留資格(ビザ)が、「経営・管理」という在留資格(ビザ)です。
この「経営・管理」の在留資格(ビザ)についての概要は、第7回ブログで書いていますので、そちらも参照しながら読んでいただけると嬉しいです。
今回このテーマを選んだのは、つい先日、めちゃくちゃお世話になっている先輩行政書士兼司法書士の方の勉強会でちょうどこのテーマについて勉強してきたためです。つまり、その件と関連させて自分なりのブログを書いていきます。
【外国人の会社設立の原則的な流れ】※想定:外国に居る外国人が、来日して新たに経営を開始する場合
定款作成 ⇒ 会社設立 ⇒ 登記 ⇒ 許認可 ⇒ 経営・管理ビザ取得 ⇒活動開始
まずは、会社の基本ルール、国でいう憲法にあたる「定款」を作成します。この定款には、会社の名称や所在地、目的等(絶対的記載事項)や、計算のルールや株式に関する事項(株式会社の場合)(相対的記載事項)などの他、法令等に違反しない限り任意的な事項(事業年度等)を記載します。
定款を作成したら、(株式会社の場合は、作成した定款を公証人にチェックしてもらう「認証」をした後)登記所へ行って会社の設立登記をします。ここで会社が設立します。
その後、必要な場合は「許認可」を受けます。例えば、中古自動車の販売・輸出入をする場合は「古物商許可」の取得、旅行会社を立ち上げる場合は「旅行業許可」、飲食店・レストランを経営する場合は「飲食業許可」を取得するなどです。
それが済んでやっと「在留資格認定証明書」の交付申請ができます。つまり、在留資格の手続は、すべての手続が完了してから行うものです。そうです、絶対に失敗できない在留資格申請の一つなのです。
したがって、下記に述べるような条件を満たさずに、自分で会社の設立だけをして、在留資格の手続のみを依頼してこられる外国人の方については、残念ながらお断りするケースも専門家としてはございます。
【外国人の会社設立と日本人の会社設立の主な違い】※想定:同上かつ、規模の小さい株式会社
①日本に居ないこと
②日本に預金口座がない
③印鑑証明がない
③資本金・出資の額
①・②については、例えばこれから来日して1人会社を設立しようとしているAさんに、日本に協力者Bがいて、かつ、そのBがこの会社設立に全面的に協力してくれる場合は、出資金の入金口座の用意、事業所探し及び在留関係諸手続きはAさんが行うことができるので、OKです。通常であれば、会社に無関係な人は、出資金の口座準備や在留関係手続はできませんが、どうしてもそれがいない場合は、日本で住んでいる友人や知人にそれを頼むことができます。
②・③について、会社設立の際の必要書類は原則として「印鑑証明書」と「通帳」です。それがあれば比較的簡単に会社は作れます。
しかし、日本に住んでいない(住所がない)外国人の方に関しては、この両方が用意できない可能性が高いです。例外的に、預金口座に関しては、昔日本に住んでいたことがあり、その時に作った預金口座がまだある、というような場合は、預金口座問題は解決します。
まず、印鑑証明に関しては、外国にはほぼ無いので、サイン証明を取得していただくことになります。原則として、日本にいる場合は在日本大使館・領事館にて取得します。特に決まった様式はありませんが、氏名・本国の住所・生年月日が記載されている必要があります。
④の資本金・出資の額については、(経営・管理ビザで会社を経理しようとする)外国人に限っては注意する必要があります。通常、日本人や居住資格(永住者、定住者等)を持つ外国人が会社を設立する場合には、資本金は1円でも設立自体はできます。
しかし、経営・管理の在留資格(ビザ)を取得して経営を始める場合には、その条件の1つに「資本金又は出資の総額が500万円以上」であることという項目が定められています。(厳密に言えば、それ以外にも2つの条件が定められており、その3つの内1つの条件を満たせば許可は取れるのですが、現実的に立証が難しい為、ここではこの条件しかない、という体で話を進めます。)
なお、資本金とは株式会社や合同会社を作る際に必要な投資であり、出資とは主に個人事業を始める場合における資本金のようなものです。
つまり、外国人の方が会社を作る際には、必ず500万円以上を出資して、設立する必要があります。
さらには、入管は、その500万円の出所まで聞いてきます。そして、その理由を立証書類をもって根拠立てて説明できなければなりません。特に、外国から日本への送金がかなり厳しいというケースも多く、1度に500万円を送金できない場合も多くあります。その場合は、複数回に分けて送ったりする必要もでてくるでしょう。このケースでは、その送金の履歴も残しておくことが必要です。
また、「親から借りた」というのも問題はありませんが、こちらもそれを立証するために借用書等を作成しておく必要があります。
【その他注意事項】
・「事業所」について
経営・管理ビザでは、条件の1つに「事業所の確保」が掲げられています。ここでいう事業所は、自宅や他の会社の一部屋を借りてそれとして使用することも排除されていませんが、結論から言えば、これらは避けるべきです。詳細は、ここでは述べませんが、物理的に独立した事業所を用意しなければ、許可はおりません。
・「飲食店の経営」の注意事項
飲食店を立ち上げて、その経営をしようとする外国人の方は非常に多いです。しかし、ここで注意すべきは、その経営をする人は、調理(コック)はできないということです。つまり、自分以外に必ずコックやホールスタッフを雇う等する必要があります。これは、他の業種でも言えることです。例えば、建設会社の経営をする場合は、経営者以外に現場作業員が必要になりますし、旅館を経営する場合は、フロントスタッフや清掃員などが必要になります。
一方、パソコン1つで商売やサービスの提供を行うような形態であれば、経営者1人の会社もあり得ますし、外国人であってもその有する在留資格(ビザ)が永住者や定住者であれば、1人レストランも理論上行うことができます。
以上、今回は「外国人の会社設立」に関しての内容を書いてきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。