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【第91回】相続人と受遺者

長久手市の在留資格(ビザ)&終活関連業務(相続・遺言・成年後見・死後事務等)専門行政書士の竹内です。

9月も2週目。

個人的には、例年よりも猛暑が去るのが早い気がしています。毎年、10月一杯まではめちゃくちゃ暑いイメージですが、9月に入って、あの台風の影響からか、若干暑さも和らいでいる気がします(もちろん、それでも元が暑すぎたので暑いことにかわりはありませんが笑)。

今週は、外出が多くなりそうなので、気合い入れていきます。

それでは、今週も行きましょう!

 

今回も「終活シリーズ」の続きでいきます。

今回は。よく聞く「相続人」と、あまり聞かないかもしれませんが「受遺者」というものの違いや意味について簡単に書いてみようと思います。

 

【「相続人」とは?】

まず「被相続人」という言葉の意味を確認しておきましょう。被相続人とは、相続される人=亡くなって自身の財産等を誰かに承継される人のことです。

相続人は、被相続人と対局にある人のことです。つまり、被相続人の財産等を受け継ぐ人をいいます。

例えば、Aさんが亡くなって、Aさんには妻B、子Cの2人がいるとします。この場合、被相続人がAさん、相続人はBさんとCさんの2人ということになります。

そして、この「相続人」は、通常「法定相続人」を指します

法定相続人とは、法律(民法)によって定められた被相続人の財産等を承継する権利を有する者のことです。

 

【「法定相続人」とは?】

法定相続人は、簡単にまとめると以下のようになります。

・常に相続人となる:配偶者(法律婚の配偶者のみ)

・優先順位一位:子(養子、認知した非嫡出子(婚外子)含む)

・優先順位二位:直系尊属(父母、祖父母等)

・優先順位三位:兄弟姉妹

※上記の順位とは、上位の相続人がいない場合に初めて相続人となることができることを意味します。配偶者に関しては、第一~第三順位の誰かがいても、いなくとも常に相続人となります。

 

したがって、法定相続人となる可能性がある組み合わせは、原則的には以下のとおりとなります。

・配偶者のみ

・子のみ

・直系尊属のみ

・兄弟姉妹のみ

・配偶者+子

・配偶者+直系尊属

・配偶者+兄弟姉妹

※これ以外にも、代襲相続等によって上記以外の組み合わせになる可能性もありますが、これについてはまたの機会に書かせていただきますね。

 

【受遺者とは?】

受遺者とは、「“遺”贈を“受”ける“者”」、つまり、被相続人から死亡によりその財産等を受け取る者であって、相続人以外の者を指します。

例えば、Aさんは遺言で、長年自身の療養看護のために努力してくれた息子の配偶者であるBさんに、感謝の意を込めて遺産の一部を贈りたい、というような場合のBさんは、相続人ではなく受遺者となります。

 

受遺者には、2種類あります。

①特定受遺者

②包括受遺者

 

【特定受遺者とは?】

特定受遺者とは、例えば、相続財産の中にあるA建物を与える、1,000万円を与えるなどのように、相続財産の中から特定の物を指定して、受遺者に遺贈する場合に、その遺贈を受ける者のことを言います。

 

【包括受遺者とは?】

一方この包括受遺者とは、特定受遺者とは異なり、遺産の全部又は一定割合の遺贈を受ける者のことを言います。

例えば、「相続財産のうち、3分の1をAに遺贈する」という遺言があった場合、Aさんは包括受遺者となります。

包括受遺者と特定受遺者は決定的に違う扱いとなります。

包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する、と民法に規定されているのです。

すなわち、包括受遺者は、相続人として遺産分割協議に参加できますし、相続人と同様に債務も負担することになります。

したがって、包括受遺者を除いて行った遺産分割協議は無効となります。

 

以上、相続人と受遺者について簡単に書かせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。