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【第115回】上陸審査に引っかかった時の流れの一例

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとした外国人関連業務専門の特定行政書士、竹内です。

3月に入りましたね。

昨日、伊豆の河津桜を見に行ってきました。

まさに「満開」、最高だったのですが、唯一最悪なことが発生しました。そうです、花粉症です。

素晴らしい景色を見て感動したいのですが、鼻水がたらたら、目もかゆいということで何となくとても悔しい気持ちで帰ってきました(笑)。(なお、愛知に戻ってきた今は収まっています。が、この先が思いやられます。)

その際の写真に関しては、またインスタにその打ち上げる予定ですので、是非インスタもフォローお願いいたします(@takeuchi_gyousei)。

というわけで、今月も頑張っていきましょう!

 

今回は、外国人が日本に来る際に上陸手続を受けるのですが、それが引っかかった場合、そして、最終的に上陸が認められなくなるまでの基本的に流れについて書いていこうと思います。

 

【1.スムーズに行った場合の上陸審査】

➀到着

➁上陸審査

③パス(上陸許可。パスポートに押印等で対応)

➃上陸

当たり前ですが、シンプルにこれで終わりです。

 

【2.引っかかったが比較的すぐ上陸できるケース例その1】

➀到着

➁上陸審査の際、写真と指紋の提出(以下「個人識別情報の提供」といいます。)を拒む。

③上級の審査官(特別審理官)に引き継がれる

➃特別審理官が「この人は個人識別情報の提供をする必要がない人だよ、そして、上陸のための条件も満たしているよ」と認定した。

➄上陸

個人識別情報の提供は、一部の者(例えば、16歳未満、特別永住者、外交・公用の在留資格の活動をする人等)を除いて上陸審査において必須です。

これを拒むと、上記のようにいきなり特別審理官への審査に入ることになります。そこで、「④」のように判断されれば普通に上陸できます。

 

【3.引っかかって一山超えたが、その後また引っかかって、それでも粘って、結局上陸できないケース例】

➀外国人A:日本到着

➁上陸審査で、個人識別情報の提供を拒んだ

③特別審理官に回され「あんたは個人識別情報の提供しなくていい人だよ」と言われる。

➃外国人A「よっしゃ!上陸できる。」と喜ぶ。

➄が、それと同時に特別審理官「でも、あなたは上陸のための条件に適合していません。」と言われた。

➅納得いかない外国人Aは「お前のところのトップ(法務大臣)に文句言ってやる」

⑦法務大臣が「⑥」の文句を受けて考えた結果→「入国しちゃだめ」

⑧外国人A:日本出国

上記の「③」(前「2.」の「③」も)のことを入管法上「口頭審理」といいます。(※なお、この口頭審理は退去強制手続き中にも出てきますが、それとは別ものです。ただし、準用される規定もいくつかあります。)

そして、その口頭審理の結果納得いかない場合は、「⑦」のように法務大臣に対して文句を言うことができます。こちらを入管法上「異議の申出」と言います。(※こちらも、退去強制手続きにおいて同様の言葉が出てきます。別物ではありますが、最終判断のようなものという意味でいえば同じようなものですね。)

もし「⑦」で「入国していいよ」と言われたら、外国人Aは上陸できます。

さらに、「⑦」と同様の判断が下されたとしても、その上で法務大臣が「この外国人A氏には○○という事情があるなぁ。仕方ない、特別に上陸させてやるか。」というような判断がなされることもあります。これを「上陸特別許可」といいます。

どのような場合に「上陸特別許可」が与えられるかというと、例えばその外国人Aがもともと日本に在留している人で、再入国許可を得た上で出国していた場合や、法務大臣が特別な事情があると認めた場合等です。

なお、「③」で特別審理官が「あんたは個人識別情報の提供をしなきゃあかんよ」と判断した場合には、この異議の申出はできません(=上陸できない)。

 

上記は一例ですが、日本に到着した外国人が、上陸審査に引っかかった場合にどのような手続きが行われるのかについて書いてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。