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【第126回】日本国籍➁~帰化の一般的な条件~

長久手の外国人関連手続き(在留資格【ビザ】、帰化、永住等)を専門とする特定行政書士、竹内です。

昨日は、ボランティア会員として所属している長久手市国際交流協会の一員として「愛知の魅力博覧」というイベントに参加してきました。

2005年に開催された愛・地球博(愛知万博)から20周年を記念して、現在愛・地球博記念公園(モリコロパーク。ジブリパークがあるところ)で大阪万博の期間中開催されています。

その中で、昨日は「長久手DAY」と題してイベントがあったので、そこの一つのブースでボランティアをしてきました。私は「缶バッチ作成」の担当として、1日中缶バッチを作りまくっていたのですが、意外にも子供さんに大人気で、家族連れの方々にご来場いただき、たくさんの笑顔を見ることができ、とても清々しい気分で素敵な時間を過ごしました。

7月にもまたイベントに参加する予定です。

というわけで、今週も行きましょう。

 

前回から「日本国籍シリーズ」が始まり、まずは「生まれた子の日本国籍取得条件」について書きました。

今回は、外国人の方が日本に「帰化」するために必要となる条件に付いて書いていこうと思います。

その条件も、当該外国人の方の状況により若干異なるのですが、今回は最も一般的な条件について触れようと思っています。

 

【そもそも「帰化」とは何か?】

一言で言うと「外国人から日本人になる」ということです。

帰化をすれば、私たち通常の(生粋の)日本人と同様に扱われます。

したがって、外国人ではなくなるので在留期限を気にする必要もなければ、そもそも在留カードもありません。まさしく、日本人と同じなので選挙権・被選挙権なども認められます(この点、色々声が上がっていますが。)。

デメリットとしては、かつての母国へ帰る時に場合によってはビザ(査証)が必要となったり、原則として母国の国籍はなくなります。

 

【帰化の一般的条件】

外国人が帰化をするための条件は、国籍法という法律の第5条第一項一号~六号に定められていますので順番に見てみましょう。

★ 一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。

一つ目の条件が、5年以上日本に住んでいることです。

ただし、その5年の間に連続して3か月程度、または、1年間に合計180日程度以上日本を離れていた場合は、たとえそれが再入国許可又はみなし再入国許可を受けた上での一時出国であったとしてもリセットされると言われていますので注意が必要です。

★二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

日本の民法では18歳以上を成年としており、この成年=行為能力を有する者とされています。

したがって二つ目の条件は、日本の民法及び母国の民法に相当する法律双方によって成年であるか、ということです。

★三 素行が善良であること。

三つ目の条件がいわゆる素行善良要件です。

大きな犯罪・重罪を犯している場合はもちろんこの条件を満たさず、帰化はできません。

問題となるのが軽微な違反等です。その最たる例が「交通違反」です。

基本的に、直近5年間が帰化申請の際に見られる期間です。基本的に、5年間を通じて2~3回程度の軽度な交通違反があっても支障はないとされています。しかし、3回の違反がいずれもここ1年以内にあるような場合は、厳しいです。

★四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

四つ目は、独立生計要件です。

これは、要するに「今もこれからも経済的に支障なく生活できるか」を審査するものです。

これは、仮に帰化しようとする外国人本人が専業主婦or主夫で稼ぎがなくても、扶養者である日本人配偶者等がしっかり稼いでいるのであれば、OKです。

★五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

5つ目が(原則)重国籍禁止規定です。

外国人が日本に帰化することによって、元々持っていた国籍を失うことを条件としています。

実務上、この点にひっかっかる場合には法務局へ初回の相談に行ったときに、「○○○○を提出せよ」と指示されるので、その場合には対応が必要となります。もちろん、相談に行く前に本国法を調べて先回りしておくこともできます。

★六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

6つ目は、前記の「三」の素行善良要件に似ており、いわゆるクーデター等を企てるようなテロ組織の関係者を排除するための条件です。

条文を見てわかるように、この条文の中に「期間」はありません。つまり、20年前に日本でテロ活動を企てた者は、一生帰化はできません。(原則)

 

このような6点が国籍法の定める一般的な帰化条件ですが、実はもう一つ条件があります。

そうです、日本語です。

原則として、日本で小学校を卒業していない外国人は、小学校3~4年レベルの日本語テストに合格する必要があります。これが合格できないと、次の段階に進めません。

なお、〇〇回落ちたらもうダメ、などの制限はないので1度落ちても2回目のトライ等は可能です。

 

以上、今回は帰化の一般的な許可条件について書きました。

最後までお読みいただきありがとうございました。