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【第165回】技人国の厳格化

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。

先週の日曜日には、お手伝いしているNPO法人さんの一員として、名古屋国際センターで開催された「外国人ワンストップ相談会」に参加してきました。

今回で3回目くらいなのですが、今回は相談が多かったように感じます。

以前の2回は、相談者がいない時間が多く、ある時間帯にドバっときて、さっと引くという感じでしたが、今回は最初から最後までまんべんなく相談者が来ていました。

これからもどんどん相談者は増えていくのでしょうね。

ということで、今週もスタートです。

 

今回は「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」)に関するトピックを取り上げます。

これに関しては、以前のブログ(第140回)でも触れましたが、その内容が更に具体化してきたのでそれについて書きます。

 

【そもそも「技人国」とは?】

簡単にいうと、大卒以上の学歴や相当な実務経験のある優秀な外国人が、その専門的知識・技能を生かしてホワイトカラーの仕事をする場合に与えられる在留資格です。

典型例は、日本で大学を卒業した留学生が、卒業後に帰国せず日本で就職する場合に変更する在留資格(ビザ)がこの「技人国」です。

 

【何が問題であったのか?】

「技人国」は、ホワイトカラーの仕事しかできません。

つまり、工場での単純作業、コンビニの店員、ホテルでの荷物運び等のいわゆる現業作業のみを主たる業務とする仕事はできません。

この「技人国」という在留資格を得るための1つの条件の中に「日本の企業等との『契約』に基づいて」というものがあります。

この『契約』は、雇用契約を指すことが一般的ですが、法令上に『契約』としてしか書いていない以上、委任、請負、業務委託、派遣などでもOKということになります。

そして今回の厳格化で入管が問題視しているのが『派遣契約』で「技人国」の在留資格を得ている外国人および外国人を雇う派遣元ならびに外国人を受け入れる派遣先に関してです。

派遣元は、当然ながら外国人材を雇い「技人国」に該当する仕事(=ホワイトカラーの専門職)を行っている派遣先に派遣しなければなりません。

しかし、そうではなくいわゆる「単純作業」に従事させている派遣先に派遣している現状についにメスが入ったことになります。

このような在留資格に該当しない就労活動を行うことを入管法上「資格外活動」と言います。

この資格外活動には外国人本人のみならず、外国人を雇った側・受け入れた側にも罰則もあります。(資格外活動罪、不正就労助長罪)

 

【具体的にどう厳格化されたのか?】

1.提出資料の大幅増加

2026年3月9日(予定)からは、

・労働者の個別の派遣契約書

・派遣元管理台帳、派遣先管理台帳(原則として派遣元および派遣先に義務付けられているもの)

・労働の内容(労働日、労働時間等)が確認できる資料(シフト、出勤簿その他の管理台帳)

といった資料が追加される予定です。

 

2.受入機関の審査の厳格化

今後は、受入機関(派遣元、派遣先)側の審査も厳格化されます。

具体的には、技能実習や特定技能の外国人を受け入れていた・受け入れようとする企業等についての審査です。

技能実習や特定技能では、一定の限度を超えると罰則として「今受け入れている外国人を転職させたうえで、5年間新規受け入れは停止です」というペナルティを食らうことがあります。

このペナルティの対象は、あくまでも技能実習生・特定技能外国人でしたので、例えばその会社等が「技人国」で外国人を受け入れることまでは制限されていませんでした。

しかし、今後は上記のようなペナルティを食らっている企業等は、「技人国」であっても受入れは許さない!という運用に変わります。(ペナルティ期間が明ければ受入れOK)

そもそも特定技能・技能実習に関してペナルティを受けている会社等がその期間内に「技人国」を受け入れようとする時点で怪しいと個人的には思うのですが、今まではそこは加味していなかったようですね。

 

3.その他

派遣絡みですが、これまでは派遣元が決まっていれば、派遣先が未定でも「技人国」は許可されていたようですが、今後は「派遣元」+「派遣先」のいずれも確定していないと「技人国」は許可しない運用となります。

 

以上、今回は「技人国」の在留資格(ビザ)の厳格化について書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。