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【第170回】令和7年外国人出入国・在留管理の状況~不法滞在ゼロプランの現在地~

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。

4月に入りましたね。

新年度のスタートと共に、寒さもだいぶ和らいできて暖かい日も増えてきましたね(朝はまだ若干寒いですが)。

なんとなくこの華やかな雰囲気は、毎年ながらわくわくしてきますね。

ということで、そんなわくわく感の中(笑)、今週もスタートです!

 

今回は、先日入管庁より発表された令和7年(2025年)の出入国や在留外国人に関する様々な数字の中で、昨年5月に発表された「不法滞在者ゼロプラン」と絡めて、その現在地やいい点・悪い点などについて個人的な意見を好き勝手書いていこうと思います。

 

【発表された主な数字】※2025年

入国外国人の数・・・・4,243万930人​(初の4,000万人超えで過去最高)

在留外国人の数・・・・412万5,395人 (こちらも初めて400万人を超えて過去最高)

不法在留者の数・・・・6万8,488人 (昨年同時期と比べ、6,375人減少。2年連続減少)

退去強制又は出国命令による出国者数・・・1万7,352人(退令:7,563人、出令:9,789人。前年より673人減)

↑のうち下半期の退去強制令書による送還者数・・4,140​人(前年同期より265人増加)

護送官を付して送還した者・・・318人(前年より69人増で過去最高)

難民認定申請の平均処理期間・・・・22.5か月(前年とほぼ同じ)

難民認定申請におけるB案件への振り分け件数:1,615人(前年80人。約20倍に増)

 

【「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」との絡み】​

そもそもこの「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(以下「ゼロプラン」)とは、昨年5月に入管庁が発表したもので、3つの柱からなる5カ年計画です。

3つの柱とは「入国管理」「在留管理・難民審査​」「出国・送還」の3つであり、「入国管理」は文字通り日本に入ってくる外国人の管理(主にJESTAの導入等)、「在留管理・難民審査」は難民認定申請の処理期間の短縮と在留管理のデジタル化、そして「出国・送還」は不法滞在者の積極的な送還・出国を促すための施策、という感じです。

今回は、この3つの柱のうち「①在留管理・難民審査」と「②出国・送還」に関して、この度発表された数次と絡めて書いていきたいと思います。

 

【「①在留管理・難民審査」との絡み】​

この点の中での最も主たる目的は「難民認定申請の処理期間の短縮化」と言ってもいいでしょう。

上記でも述べたとおり、難民認定申請の平均処理期間は22.5カ月(つまりほぼ2年)となっています。こ

確かに、この期間が長ければ長いほど、外国人側にとっては法的安定を欠く状況が長くなり様々な不利益を受けますし、日本側にとっても悪い(つまり、日本で不法就労をするため等の目的で難民認定申請を濫用している)外国人を長期間在留させて治安の悪化を招く、​という不利益が生じます。

これを解消しようという入管庁(国)の政策は合理的であり、賛同できます。

で、国はその短縮策としてどのような方法を用いるのか、という点が問題になります。

 

難民認定申請をすると、まず「案件の分類」が行われます。

A案件:難民である可能性が高いもの

B案件:明らかに難民ではないもの​

C案件:再申請(2回目以降の申請)

D案件:その他

というように、4つに分類されたうえで、その分類に合わせてその後の審査が進みます。

上記のうち、B案件とC案件については、比較的早く処理が行われます。つまり、端的に言えば「不認定」の処置を早急にする、ということです。

 

今回のこのゼロプランの目的達成のために入管庁がとっている方法、すなわち、処理期間を短縮するために取っている方法は、B案件を類型化(B案件の中でさらにいくつかの類型に分ける)した上で、B案件への振り分けのハードルを下げる、という手法です。言い方は悪いかもですが。

これは、今後その運用方法に関して十分注意することが必要でしょう。​

つまり、最も怖いのが難民である外国人が、安易にB案件に振り分けられて不認定処分を受けることです。

入管庁もバカではないので、そのあたりは考えた上で審査にあたっているとは思いますが、最近の政情や政府の考え方からすると、そういった安易な取り扱いがなされることが増えるのではないか、とどうしても疑ってしまいます。

ちなみに、上記のとおり、ゼロプランによってB案件への振り分け件数は前年の約20倍となっています。​

 

【「②出国・送還」​との絡み】

まず、護送官付の送還は318人ということで、増加しています。

ゼロプランの目標は、「2024年比で2025~2027年の3年間で護送官付送還を倍増させる」こととされています。

2024年249人⇒2025年318人

と増えましたので、このペースで行くと・・・

2026年:387人 ⇒ 2027年:456人(目標:249×2=498人)

若干達成できませんが、そのために入管庁が行っているのが在留手続き料金や出入国税の値上げです。

これを原資として、人員を増やしたり、システムを構築したりして、目標を達成しようということでしょう。

 

話は若干それますが、今回発表の数字の中に、「摘発箇所数​・被摘発者数」というのも発表されています。

前者に関しては減少していますが、後者に関しては増えています。

今後は、この摘発箇所数も被摘発者数も劇的に増えるのではないか、というのが私の予想です。

 

この不法滞在者を国外に退去させる、ということは、ある意味当たり前であり、原則として私も賛成なのですが、この「不法滞在者」という一つの言葉の中には実に様々な境遇の外国人の方がいるのもまた事実です。

法律に基づいて厳粛に処理する、というのも時には必要ではありますが、人道的な取り扱いに関しても忘れてはいけない場合も多々あると思います。

 

結局は入管庁の従来からの主張である「保護すべき者は適切に保護し、ルール違反者には速やかにおかえりいただく」という一言に行きつくのでしょうが、「人間」という主体を扱っている以上、難しい問題が山積みですね。

 

なんか、若干主題とずれてしまってる感がありすみません。

 

以上、今回は令和7年の入管庁発表の数字とゼロプランとの関係について書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。