長久手市の在留資格(ビザ)を中心とする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。
8月ももう終わっちゃいますね。
何となくの感覚ですが、台風などが多かったせいか6・7月の方が8月より暑さがきつかったのではないか?、という思いです。
まあ、例年10月一杯くらいまで普通に夏なので、あと2カ月は夏を感じられる日々が続くのでしょうね。
ということで、今回もスタートします。
今回はまた「永住許可」について書こうと思います。
実は前々々回(第185回)も今回と似たようなことを書いたのですが、その際は報道の内容のみを見て書いていました。
今回は政府が発表したガイドライン(案)全体を読んだうえで、気になったことを書こうと思います。
【まずこれを抑えて!!】
永住許可には、大きく分けて以下の3つの要件があります。
1.素行善良要件
2.独立生計要件
3.国益適合要件
そして、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子については「1.」「2.」が免除され「3.」のみが要件となります。
ここを抑えておかないと、以下の記事の内容は頭が混乱してきてしまうと思いますのでまずはこのことを頭に入れた上で読み進めていただければ幸いです。
【2.独立生計要件】
この要件は、要するに「現在はもちろん、将来にわたって自活生活を世帯単位で営めるかどうか」について審査するためのものです。
要するに「お金はあるのか?」ということです。
この要件が、これまでは「ある程度余裕を持って暮らしていければOK」という基準(実務上)でしが、今後は「お金持ちか?」という要件に変わります。
具体的には以下のような要件です。
1.世帯人数※1に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準であること(原則世帯単位※2)
※1 原則同一世帯の家族の人数をさすが、海外居住被扶養者がいる場合はその者を含む。
※2 家族滞在の在留資格で在留する者など扶養されることが前提とされている者の収入は含まない!
※3 満たない場合でもその不足分を補う金融資産「補填資産」があればそれも考慮し、この補填資産に関しては申請時点における年齢が若いほど基準は低くなる(=年齢が高いほど、受給年金水準に満たない場合は要件を満たすことが難しくなる)
【3.国益適合要件】
この要件は、永住許可申請をする全ての外国人に対して適用される唯一の条件となります。
そして「国益適合要件」と一言で言っても、実際にその中身は多岐にわたります。今回はその全てに触れることはできませんので、今回の改定案で気になる点のみを抜粋して書きます。
(1)原則10年の在留について
この要件は以前からあったのですが、今回のガイドライン(案)においてはその中断に関する考え方が具体的に示されている点が評価できます。
これまでは、「連続3カ月」又は「1年の半分以上」日本から離れていた期間があると、そこで「中断」とされ、中断後から新たに10年在留していなければならない、とされていましたが、このことは入管庁が正式に発表していたものではなく、実務上の経験から導き出されて定着したものに過ぎませんでした。
では、今回のガイドライン(案)ではどう書いてあるかというと・・・
「申請時点から過去10年以内において、合理的な理由なく、一回の出国で半年以上不在とした期間がある場合又は通算して2年6月以上不在とした場合は原則として消極評価をします。」
書き方はこんな感じです。
要するに10年のうちに、半年間継続して日本から離れている場合は、原則不許可というわけです。
そして、その後には「10年の間の出国期間が通算2年6月以上」ある場合も、原則不許可とされています。
つまり、10年のうちに1回あたりの出国が短くても、頻繁に日本を出ている場合において、その通算の出国期間が長くなるときは永住は許可されません、ということですね。
(2)原則10年の特例対応に関する変更
この点に関しては、日本人・永住者・特別永住者の配偶者・子に関する大きな変更がありました。
現行) 婚姻期間3年、在留期間継続1年
改定案)婚姻期間5年、在留期間3年
10月から料金の値上げ(1万円⇒20万円)があることも考えると、上記に当てはまる外国人の方で現行の基準を満たしている方は、遅くとも9月中には永住許可申請すべきですね。
(3)原則10年に含まれない在留資格
以下に掲げる在留資格「特定活動」を持って在留していた期間は、永住許可要件を満たすための「10年」には含まれません。
・継続就職活動(大学等在学中に就職が決まらず、卒業等後も就職活動の為在留が認められている者)
・就職内定者(就職は決まったものの、学校等を卒業等後、採用までの期間が長くその間の滞在を許された者)
・本邦の大学等を卒業して起業活動を行う留学生(卒業後、起業準備のための在留を認められた者)
・難民認定等手続中(難民又は補完的保護対象者の認定申請をし、その結果が出るまでの在留を認められた者)
・本国における情勢不安を理由に本邦への在留が認められている者 (ミャンマー等)
なので、例えば継続就職活動の特定活動で就職活動をしていた外国人が、10カ月経ってやっと就職先が決まり、特定活動から(例えば)技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)に変更許可申請をし、許可を受けたとします。この場合には、この人が永住許可申請をするための10年の起算点は技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)への変更許可を受けた日、となります。
つまり、就職活動中の期間、内定を得て在留資格変更許可がなされるまでの期間は、10年には含まれません。また、特定活動になる前に、例えば「留学」の在留資格を持って在留していた場合でも、この「特定活動」に変更した時点で一旦在留が中断する者と思われます(私見)。
(4)「就労資格」の考え方
10年のうち直近5年は「就労資格」または居住資格(日本人の配偶者等、定住者など)を持っていなければならないというルールもあります。
この永住許可申請における「就労資格」には以下のものは含まれません。
・技能実習、特定技能1号
・育成就労(令和9年4月~)
・特定活動の一部※4
※4 EPA介護福祉士候補者、看護師候補者、高校卒業後就職特活、ワーホリ特活、インターンシップ特活等
もっと色々知りたい方は入管庁のHPで全部読めます。
あと、今回は触れませんでしたが、「国益適合要件」に「日本語能力」が追加されますが、これに関しては上述の「第185回」ブログをご参照ください。
また、2026年9月4日までこのガイドライン(案)に関するパブリックコメントを募集していますので、是非だしてください。私も、今回も出しました。(永住許可の取消しのガイドラインについても同時にパブリックコメントを行っていますが、こちらについてはとりあえず妥当かな、と思うので出してませんが。)
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。