長久手市の在留資格(ビザ)と終活関連業務(相続、遺言、後見、死後事務等)専門行政書士の竹内です。
11月も最終週となりましたね。
さすがに寒くなってきました。今日の朝もかなり寒かったですね。
日中も日差しの暖かさを感じられるものの、やはり風は冷たく「あ~・・・冬が来てしまった」と思ってしまう今日この頃です(私は、夏が好きで冬が嫌いです)。
それでは、11月最後の週も張り切っていきましょう!
今回はは終活シリーズのつづきです。前回は2種類の後見制度のうち「法定後見」の概要に触れましたので、今回はもう一つの「任意後見制度」について書いていこうと思います。
タイトルでわかる通り、法定後見より任意後見を推奨しているのですが(国も任意後見を増やしたい)、それがなぜなのかということも踏まえて基礎から書いていきますね。
【任意後見と法定後見の違い】
①任意後見は「契約」である!
まず最も大きな違いと言えるのが、任意後見は「契約」であるということです。
契約は、当事者双方(ここでは被後見人となる人と後見人になる人)の合意によって成立するものです。
法定後見に関しては、一般的に親族等が裁判所に申し立てて開始されます(法律上は、本人も申立てができるのですが、そもそも既に判断能力が低下しているケースがほとんどであり、事実上難しい)。つまり、被後見人(世話をされる人。以後「本人」と言います)の意思とは無関係に始まってしまうものです。
これに対して、任意後見は、本人と本人の世話などをする人(任意後見人と言います)との「契約」の存在が前提となります。つまり、本人にとっては「自分の意思」で始めることができます。
もちろん、契約は意思能力(契約の内容を理解し、しっかり判断できる能力)があることが前提となりますので、本人が意思能力を失ってしまった後には任意後見はできないことになります。
②任意後見では、後見人を選ぶことができる!
上記「①」の延長線上となりますが、任意後見では、今後自分の世話などをしてくれる任意後見人を自分の意思で選ぶことができます。これは、法定後見に比べてかなりメリットと言えます。
法定後見では、後見人は家庭裁判所が定めます。後見人候補者として、申立てする側から希望として裁判所に知らせることは可能ですが、その人が後見人になる保証はありません。
つまり、法定後見の場合は、見ず知らずのどこの誰だかわからない他人に、今後の自分の財産の管理と身上の保護を任せることになる可能性が高いということです。これは、相当恐ろしいことだと思いませんか?
「信頼できる人」を探すのは難しいかもしれませんが、そういった人がいる方は、将来に備えて「任意後見契約」をご検討いただけるといいと思います。
③比較的自由に設計できる!
法定後見においては、原則として「本人の財産は本人のため以外に使えない」ことになっています。したがって、本人が孫にお小遣いをあげたい、子の結婚のためにお祝い金をあげたいなどの希望があっても、それはかないません。(場合によっては可能なケースがないこともないですが、原則はこうです)
一方で、任意後見は前述のとおり「契約」なので、契約の段階で比較的自由に設計することも可能です。例えば、毎月孫に○○円あげる、孫が結婚する時には〇〇円出すなどという事項を契約に盛り込んでおけば、実現できる可能性もあります(ただし、無制限ではないです。あくまでも本人のための制度であることは法定後見と同じであるため、本人の生活状況が悪くなってしまった場合等は、実現できない可能性もあります。)。
④任意後見には、必ず監督者が付く!
法定後見の場合、後見人が一人で、他に関与・監督等する者が付かないことも多いです。この場合は、その後見人が全て管理することになります(法定後見の場合、後見人を家庭裁判所が直接監督する仕組みで、その両者の間には誰もいないということが制度上あり得ます)。
つまり、不正が起こりやすいとも言えます。
一方、任意後見においては、必ず「任意後見監督人」という監督者が付きます。つまり、本人・任意後見人・任意後見監督人という3者が必ず登場します。
そして、その任意後見監督人は、家庭裁判所が選任するのですが、任意後見人とは何のつながりもない他人が選ばれるのが通常ですので、法定後見に比べて不正等のチェック機能が上がります(なお、法定後見においても、後見監督人が付される場合もあります。)ので、法定後見に比べて不正が起こりにくいとも言えます。
任意後見では、本人の財産管理・身上監護を任意後見人が行い、その職務を任意後見監督人が監督し、家庭裁判所が任意後見監督人を通じて間接的に全体を監督する仕組みとなっています。
【まとめ】
このように、法定後見よりも任意後見の方がおすすめであることは明らかかと思います。
最も注意していただきたいのは、任意後見はご自身の判断能力が低下してしまった後では選択できなくなってしまうということです。
もし、将来に不安があるのであれば、早めに私達のような専門家に相談してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。