loader image

【第105回】任意後見「監督」人って何?

長久手市の在留資格(ビザ)&終活関連業務(相続、遺言、後見、死後事務等)専門行政書士、竹内です。

早いもので、2024年もあと1週間とちょっとで終わりですね。

寒さも厳しくなり、まさに「冬到来!」という感じです。これから半年間ほどは寒さとの闘いが続きますが、それさえ乗り切れば、また大好きな夏の到来。それまではまた辛抱です。

ということで、今週も行きましょう。

 

今回も、続けます「終活シリーズ」。今回は、任意後見制度においては必須&重要な「任意後見監督人」について簡単に書いていこうと思います。

 

【任意後見「監督」人って何?】

以前のブログでもご紹介したとおり、後見制度には大きく分けて「任意後見」と「法定後見」の2種類があります。その中でも、今回は「任意後見」の方について取り上げるのですが、この「任意後見」という制度においては、この「任意後見「監督」人」という人の存在が不可欠です。

任意後見を始めるためには、まず任意後見人(本人の判断能力が低下した後に、財産管理や身上保護等を代わりにやってくれる人)となるべき人を探すことが必要です。(詳しくは、前回のブログをご参照ください。)

この「任意後見監督人」という人は、上記の任意後見人の仕事を監督する第三者です。

 

【任意後見監督人の仕事って結局何するの?】

任意後見監督人の仕事は、法律に以下のように定められています。

・任意後見人の仕事の監督。

・任意後見人の仕事について、定期的に家庭裁判所に報告すること。

・緊急事態において、任意後見人の持っている権限内で、必要な処分をすること。

・本人と任意後見人等との間で、双方の利益が相反する行為をする場合に、本人を代表すること。

簡単にいうと、

・任意後見人が仕事をしっかりやっているか、不正をしていないか、というようなことを監視する。

・任意後見人の仕事の状況を、間接的に監督している家庭裁判所に報告すること。

・例えば、任意後見人が急病にかかり、仕事ができなくなったときに、任意後見監督人がその役割をするなど。

・いわゆる利益相反行為があるときには、本人に代わって任意後見監督人が、任意後見人と話し合いをする等。

 

【任意後見監督人はどうやって選ぶの?】

任意後見契約は、本人と任意後見人となる人(以下、「任意後見受任者」といいます。)との間の「契約」です。

そして、その契約の時点ではまだ効力が発生していません。この契約の効力を発生させるためには、本人の判断能力が不十分になったときに、本人又は任意後見受任者等が家庭裁判所に「任意後見監督人の選任の請求」をしなければなりません。

この請求をすることによって、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任し、その時点で、上記の契約は効力を生じます。

そして、上述のとおり、任意後見監督人は任意後見人の仕事の監督・監視することが仕事となるため、その性質上、原則として利害関係のない他人が選ばれます。

つまり、任意後見監督人は、まったく知らない他人(弁護士、社会福祉士等)がなる可能性が高いです。

不正を防ぐことが大きな目的の一つであることを考えれば、当然かと思います。

 

【法定後見との比較】

★デメリット

・原則として、必ず費用が発生します。任意後見人を親族にやってもらい、無報酬とした場合でも、任意後見監督人には報酬が発生します。

 

★メリット

・必ず「監督人」がつくということは、法定後見よりもチェック機能が働き、不正が起こりにくいと言えます。法定後見は、監督人がつかないこともあり、後見人一人がすべてを管理する状態になるため、不正が起こりやすいと言われています。

 

【任意後見監督人になれない人】

これについては、法律に定められています。

・任意後見人又は任意後見受任者の、直系血族(父母、子、孫等)、配偶者、兄弟姉妹は、任意後見監督人になることはできません。これも、制度の性質に照らせば最低限必要な範囲の欠格事由ですよね。

 

以上、今回は任意後見制度では必ず登場する「任意後見監督人」について書いてきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。