長久手市の在留資格(ビザ)等外国人関連手続き専門行政書士の竹内です。
予報通り寒波が襲ってきて留まってるのでめちゃくちゃ寒い日が続いていますね。
個人的に、自分の人生におけるチャレンジとして今まで色々やってきたと思っているのですが、最後(?)にもうひと頑張りしてみることを決めました。
具体的なことは書きませんが(有限実行できないタイプなので笑)、しばらく目標に向けて頑張っていきたいと思っています。
ということで、今週もスタートです。
今週も、先週から引き続きまして「退去強制シリーズ」第5弾です。今回を含めてあと2回で終了予定です。
【24条6号】
条文:
六 寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による
上陸の許可又は一時庇ひ護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過
して本邦に残留するもの
解説:
この条文は、いわゆる「特定上陸許可」を受けた外国人が、その指定期間(○○までに出国・帰船せよという期限)の約束を守らず、日本に留まっている場合に、その外国人の退去強制を可能にするためのものです。
外国人の上陸には大きく分けて2つの許可があります。「一般上陸許可」と「特例上陸許可」の2つです。
前者は、いわゆる普通に日本に来て、普通にパスポート・ビザを見せて、上陸審査を受けて上陸する場合です。
後者は、例えば外国のクルーズ船の乗客が、日本のある港に寄港して短期間観光して再びその船で出国する場合や、日本付近で船が座礁して緊急に救護する必要が生じた場合に臨時に許可するもの、迫害から逃れて日本に到着した外国人に与えるもの、といったように「特別な事情」により一般上陸許可とは違うルールが定められている上陸許可のことです。
【24条6号の2】
条文:
六の二 船舶観光上陸の許可を受けた者で、当該許可に係る指定旅客船が寄港する本邦の出入国港において下船
した後当該出入国港から当該指定旅客船が出港するまでの間に帰船することなく逃亡したもの
解説:
船舶観光上陸の許可とは、上記の特例上陸許可のうちの1類型です。
船で日本に到着し、その付近を観光するために特別に許可を受けた外国人が対象で、その許可の際には30日以内(寄港地が1か所の場合は7日以内)の在留期間が定められます。船舶観光上陸の許可を受けた外国人は、その期間内に乗ってきた船に帰船しなければならないのですが、それを守らずに逃亡した者を退去強制させるためのものが、本条です。
【24条6号の3】
条文:
六の三 第十四条の二第九項の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間内に出国しないもの
解説:
「第十四条の二第九項の規定」とは、数次船舶観光上陸の許可の取消しに伴う出国期間経過者に対する退去強制事由です。
「数次」とは複数回利用できる、という意味です。通常の(一次)船舶観光上陸の許可は、その船舶が1度日本から離れれば、その効力を失い、再び日本に寄港するためには再度船舶観光上陸の許可を受けなければなりません。
しかし、「数次」船舶観光上陸の許可を受けている場合には、その指定された有効期間内に何度でも日本に寄港することができます。
この「数次船舶観光上陸の許可」には「許可の取消し」の制度が設けられており、取り消された場合は出国するための期間が定められます。この条文は、その期間を過ぎてもまだ出国しない外国人を強制的に退去させるためのものです。
【24条6号の4】
条文:
六の四 第十六条第九項の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間内に帰船し又は出国しないもの
解説:
「第十六条第九項の規定」とは、数次乗員上陸許可を受けている外国人で帰船・出国期間経過者に対する出国期間の指定を抱冷めた規定のことです。
「乗員上陸許可」とは、いわゆるパイロット、CA、乗務員など航空機・クルーズ船関係者に認められる特例上陸許可です。
この「乗員上陸許可」にも一次と数次があり、後者の許可を受けている乗員が、その許可を取り消された場合には、出国期間が同時に定められます。
この条文は、その数次乗員上陸許可を取り消されたパイロット等が、指定期間を過ぎてもまだ日本に留まっている場合に、その退去を強制するためのものです。
【24条7号】
条文:
七 第二十二条の二第一項に規定する者で、同条第三項において準用する第二十条第三項本文の規定又は第二十
二条の二第四項において準用する第二十二条第二項の規定による許可を受けないで、第二十二条の二第一項
に規定する期間を経過して本邦に残留するもの
解説:
この条文は、経過滞在者が、在留資格の取得をすることなくその経過滞在期間を超えて日本に留まっている場合に、その者を強制的に退去させるためのものです。
経過滞在者とは、
①日本で生まれた外国人、②日本国内で日本国籍を離脱した者(=外国人となる)、この2つの場合には、その外国人は上陸手続を行うことなく日本に在留することになります。
外国人は、例外を除き、日本に在留するためには「在留資格(ビザ)」が必要です。そのため、これらの方が在留資格を得るための手段として「在留資格取得許可申請」という手続きがあります。
上記のような外国人は、生まれた日又は日本国籍を失った日から60日を超えて日本に留まろうとする場合には、当該事由が生じた日から30日以内に在留資格取得許可申請をして、在留資格を得る必要があります。
この条文は、そのような経過滞在者が、その期間内に在留資格取得許可申請をすることなく在留資格(ビザ)のない状態で日本に留まっている場合に、その外国人を退去強制するためのものです。
以上、今回は退去強制事由の記載されている入管法24条6号~7号まででした。
次回、最終回です。
最後までお読みいただきありがとうございました。