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【第113回】外国人が国外へ送還されてしまうのはどんな時? ~退去強制事由について【最終回】~

長久手市の在留資格(ビザ)等外国人関連業務専門行政書士の竹内です。

昨日はとても暖かく、風もない穏やかな1日でしたね。真冬シーズンの中休みといった感じで休日を満喫しました。しかし、また今週は寒気が居座るそうですね…。

でも、間もなく3月です。実際は4月一杯くらいまではまあまあ寒いと思いますが、冬もあと少しの辛抱ですね。

というわけで、今週もスタートです。

 

今回も引き続き「退去強制シリーズ」です。そして、やっと6回目にして最終回です(笑)

お付き合いいただきありがとうございました。

では、最終回行ってみましょう!

 

【24条7号】

条文:

七 第二十二条の二第一項に規定する者で、同条第三項において準用する第二十条第三項本文の規定又は第二十

二条の二第四項において準用する第二十二条第二項の規定による許可を受けないで、第二十二条の二第一項

に規定する期間を経過して本邦に残留するもの

解説:

まず「第二十二条の二第一項に規定する者」とは、いわゆる「経過滞在者」といわれる人を指します。①日本で生まれた外国人又は②日本人が日本国内で日本国籍を離脱(=外国人になる)した場合は、いずれも在留資格がありませんので、在留資格を「取得」しなければなりません。

しかし、生まれて、又は日本の国籍を離脱してすぐに在留資格を取得せよというのはあまりにも酷なので、そういった人達のために「経過滞在期間」というものが設けられています。

この経過滞在期間内に在留資格を取得せず、そのまま日本に残留する外国人を退去させるというのが、この24条7号の規定です。

 

【24条8号】

条文:

八 第五十五条の八十五第一項の規定により出国命令を受けた者で、当該出国命令に係る出国期限を経過して本

邦に残留するもの

解説:

この条文は、退去強制手続きの結果として出国命令(日本から〇〇までに出ていきなさいという命令。詳細はまた別の機会で書きます)を受けた外国人が、その指定された期間内に出国せず、そのまま日本に留まっている場合に、その者を強制的に送還するためのものです。

 

【24条9号】

条文:

九 第五十五条の八十八の規定により出国命令を取り消された者

解説:

これは上記24条8号に出てきた「出国命令」を受けた外国人が、出国命令をする代わりに付けられた条件に違反したとします。この場合は、この出国命令自体が取り消されるときがあり、このような出国命令を取り消された外国人を、(出国期間を待たずに)強制的に退去させるための条文が、この24条9号となります。

 

【24条10号】

条文:

十 第六十一条の二第一項に規定する難民の認定又は同条第二項に規定する補完的保護対象者の認定を受け、第

五十条第一項、第六十一条の二の二第一項又は第六十一条の二の三の規定による許可を受けて在留する者

で、第六十一条の二の十第一項(第一号又は第三号に係るものに限る。)の規定により難民の認定を取り消

されたもの又は同条第二項(第一号又は第三号に係るものに限る。)の規定により補完的保護対象者の認定

を取り消されたもの

解説:

日本に来た外国人が、難民又は補完的保護対象者として認定されると、原則として定住者という在留資格が与えられます。

難民又は補完的保護対象者の認定を受けた外国人が、もし一定の事項に該当することになったとき(嘘をついて難民の認定を受けたとき、そもそも難民として保護する必要がなくなったとき等)は、難民・補完的保護対象者の認定が取り消されることがあります。

このように難民や補完的保護対象者の認定が取り消された外国人を国外へ送還するための条文がこの24条10号です。

 

以上、全6回に渡って書いてきました「退去強制事由」ですが、今回で無事終了です。

もっとも、このブログではなるべくわかりやすいように​かなりざっくりとした解説となっていまして、厳密に言うと「この表現は間違っている」というところもあるかもしれません。もっと詳しく正確に知りたい方は様々な書籍(私がお世話になっているもの含め)が出ていますので是非ご参照ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。