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【第121回】在留資格が取り消されるのはどんなとき?~その3~

長久手市の在留資格(ビザ)等の外国人関連手続き専門特定行政書士、竹内です。

あっという間に4月も半ばですね。桜もピークを過ぎ、これからは新緑の季節、とても過ごしやすい時期が来ますが、その後まもなく梅雨ですね。それが空ければ、大好きな夏が来ます。

ということで、今週も元気に行きましょう!

 

今回も前回からもつづきです。「在留資格の取消し」に関するシリーズの第三弾ですね。第一弾では、全体の概要等を書き、前回は具体的な在留資格の取消しの原因となる事由(以下「在留資格取消事由」といいます。)のうち最初の2つについて触れました。

ので、今回はその続きです。条文に沿って解説していきます。

【22条の4第一項第三号】

条文:

三 前二号に掲げるもののほか、不実の記載のある文書(不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により交付を受けた在留資格認定証明書及び不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により旅券に受けた査証を含む。)又は図画の提出又は提示により、上陸許可の証印等を受けたこと。

解説:

冒頭「前二号にかかげるもの」とは、前回のブログで紹介した2つのことで、簡単に言うと「不正な手段により上陸許可を受けたこと」と「不正な手段により在留期間更新許可、変更許可等を受けたこと」を指します。

よって、この第三号は、申請人による偽りや不正の手段はないものの、これらの許可を受ける際に申請人自身は正しい資料と思っていたが実は「嘘の資料」や「本当のことが書かれていない書面」であり、それを提出したことにより上陸の許可等を受けたというような場合に在留資格を取り消すことができる、というものです。

具体的には、申請人が会社等に対して、在留関係許可の申請のために「直近の決算書をください」とお願いしたとします。その際に、会社が赤字や営業不振を隠すために虚偽の決算書をその申請人に渡した場合において、申請人はその決算書を入管に提出し、許可を受けたとき、これが発覚してしまうと申請人の在留資格は取り消される可能性があります。

 

【22条の4第一項四号】

条文:

四 偽りその他不正の手段により、第五十条第一項又は第六十一条の二の五第一項の規定による許可を受けたこと(当該許可の後、これらの規定による許可又は上陸許可の証印等を受けた場合を除く。)。

解説:

「第五十条一項」の「許可」とは、「在留特別許可」、「第六十一条の二の五第一項」の「許可」とは「仮滞在の許可を受けた外国人に対する在留資格の取得許可」のことです。ここでは詳細な説明は省きますが、前者は「退去強制対象者に対して特別に在留を認める許可」、後者は「難民の認定の申請等をしている外国人に対して特別に在留を認める許可」のようなイメージです。

上記のような許可を、偽りその他不正な手段により取得した場合に在留資格を取り消すことができるようにしたのが、この第四号の在留資格取消事由です。

ただし、かっこ書きの規定により、一定の場合は除かれます。

例えば、偽りその他不正な手段により在留特別許可を受けた外国人がいたとしても、その後に、当該在留資格の在留期限が到来し、在留期間更新許可申請を行い、その許可がなされた場合には、その後はこの第四号の規定による在留資格の取消しの対象とはなりません。

 

以上、今回はここまでに致します。次回は「第5号」からです。

最後までお読みいただきありがとうございました。