長久手市の在留資格(ビザ)を始めとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。
先週後半は夏季休暇をいただき、亡き父の故郷である山形に墓参り・親戚訪問を兼ねて行ってきました。
月山(出羽三山の一つ)に登り、立石寺(山寺)の階段を登り、蔵王の御釜を訪れ、かなりアクティブな時間を過ごし、気持ちもリフレッシュ、また今週から頑張ります!
ということで、スタートです。
今回は「外国人の届出義務」というテーマで書いていこうと思います。
外国人が日本に在留(滞在)するためには、一部の例外を除き「在留資格(ビザ)」が必要であり、それを得るための手続もしなければならないことは、これを読んでいただいている方々は何となくでも知っているものと思われます。
しかし、その在留資格(ビザ)を得た後でも、外国人には日本人には課されていない「届出」という義務が課されています。
今回は、その「届出」制度についてと、もしそれを怠った場合にどのようなリスクがあるか?ということについて書いていきます。
【外国人に課される『届出義務』とは?】
日本に在留する外国人には、「○○の時は、××という届出をせよ」という「届出義務」が課されています。
そして、この届出義務が課されるのは、全ての外国人ではなく「中長期在留者」と言われる外国人の方々です。詳細説明は省きますが、在留カードを持っている外国人の大半がこれに当たります。
具体的な届出事項は以下のとおりです。
1.対象となる人:中長期在留者ほぼ全員
(1)住居地に関する届出
例)上陸後住所が決まったとき、住所を変更したとき、短期滞在等から中長期在留者に変更したとき等
2.対象となる人:いわゆる就労系在留資格※1(経営・管理、技術・人文知識・国際業務、技能等)
(1)所属機関※2の名称変更・・・・例)竹内行政書士事務所 ⇒ NAGAKUTE法務事務所 への名称変更
(2)所属機関の所在地変更・・・例)勤務先の移転により住所が変わった場合など
(3)所属機関の消滅・・・例)勤務先が倒産した場合等
(4)所属機関との契約終了・所属機関からの離脱・・・例)勤務先を止めた場合
(5)新たな所属機関との契約の締結、新たな所属機関への移籍・・・例)転職した場合等
※1 一部の在留資格(例えば「外交」「公用」等)は除く
※2 所属機関・・・勤務先、所属機関などのこと。
3.対象となる人:日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、家族滞在の在留資格(ビザ)で在留している外国人のうち、「配偶者」として在留している人
(1)配偶者に関する届出・・・例)配偶者と離婚したとき、配偶者と死別したとき
以上に述べた届出は、届出をすべき事由が発生した時(離婚した日、会社を辞めた日等)から14日以内にしなければなりません。
以上が、外国人本人がしなければならない届出です。なお、所属機関がすべき届出などもありますがここでは省略します。また、特定技能に関しては、所属機関に課されている届出事項が多数ありますので注意が必要です。
【届出はしないといけないの?テキトーに届け出ても問題ないの?】
上述した「届出」に関しては、実際にはしていない外国人が多数います。していないというか、知らない人が多いのだと思います。
では、この届出をしていないとき、正確な届出をしていないとき、入管法上何か外国人に不利益(良くないこと)が起こるのでしょうか?
その答えは以下のとおりです。
1.永住許可への影響が出ます。
永住者の在留資格(ビザ)を得ようとする外国人の方は、この届出を適正にしているかどうかまで審査対象となります。従って、この届出をしていない、しているけど上記の届出期限内に届け出ていない場合には、永住が不許可となる可能性が極めて高いです。
2.在留資格が取り消される可能性があります。
住居地絡みの届出については、下記のような在留資格取消事由が定められており、場合によっては在留資格を取り消されてしまう可能性があります。(参考:入管法第22条の4第一項8~10号)
・新規入国者又は新たに中長期在留者となった外国人が住居地の届出をしないまま、上陸後90日を経過した。
・引越しに当たり、新住居地の届出をしないまま90日を経過した。
・嘘の住居地を届け出た。
↑このような場合には、在留資格取消しとなる可能性があり、日本から自主的に退去しなければならず、それを拒んで指定期間を過ぎると退去強制制度の対象となり、その後のペナルティも一気に重くなります。
以上、今回は意外と知られていない「外国人の届出制度」に関してのブログでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。