loader image

【第140回】《新聞記事》技術・人文知識・国際業務のテコ入れ?

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとした外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。

8月最終週ですね。

例年であれば、まだまだ暑さは10月頃までは続くでしょうから、引き続き熱中症等に気を付けつつ日々過ごしていかないといけませんね。

 

今回のブログは、先日中日新聞で取り上げられた「外国人派遣労働 入管実体把握へ~『技人国』トラブル相次ぐ」という記事が載ったので、そのことについて簡単に取り上げたいと思っています。

 

【「技人国」とは?】

この「技人国」とは、在留資格(ビザ)の一つです。正式には「技術・人文知識・国際業務」という名称です。この長ったらしい在留資格(ビザ)名をいちいち口にするのがめんどくさいため、専門家等では「技人国(ぎじんこく)」と略して呼んでいます。

この「技人国」という在留資格(ビザ)は、簡単に言うと大学等において又は長年の実務経験により習得した専門的な知識・技術を生かしたいわゆるアカデミックな頭脳職に就くためのものであり、大卒者等の多くが日本で就職する場合に「留学」からこの在留資格に変更しています。

なお、この「技人国」についての詳細は私のブログ(第8回。かなり遡ります)にて説明していますのでご参照ください。

 

【今回の記事の概要と問題点】

「技人国」は、日本の企業等(就職先等)との「契約」に基づいて行われる必要があります。

この「契約」というのは、原則として「雇用契約」を指すことが多いのですが、「技人国」に関しては上陸許可基準を定める省令では、文字通り「契約に基づいて」としか書かれていないため、必ずしも雇用契約である必要がないものとされています。

つまり、「技人国」における「契約」は、雇用、請負、業務委託そして派遣、どのようなものでも「契約に基づいて」行われる限り、基準に適合していることになります。

今回の記事で問題点として取り上げられているのが、その中で「派遣契約」に基づいて日本に在留している外国人の就業実態です。

つまり、派遣元が「派遣先では専門的な知識・技術を必要とする仕事をさせますよ」として、この「技人国」ビザを取得した外国人労働者を、実際には派遣先で現業業務(単純労働)に従事させているという実態があるという問題点にメスを入れようというものです。

実はこの問題は「偽装技人国」として、かなり前から問題視されていました。

実際に色々な外国人の方とお話していると、明らかに「偽装技人国」と思われる外国人労働者が結構います。

この長年見て見ぬふりをしてきた「偽装技人国」という一種の不法就労について、入管がついにテコ入れすることを宣言した、というのが今回の記事の内容ですね。

【今後の予測】

入管庁は2025年5月に「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(以下「ゼロプラン」という)というものを発表し(これに関しては第127回ブログで触れていますのでご参照ください)、「不法滞在者の摘発・送還を本気でやっていくぞ」という意思表明をしています。

​このゼロプランは、あくまでも不法滞在と確定した者の送還の法に則った執行や、不法滞在者の不法就労を​の摘発を中心としたものであり、今回のような「偽装技人国」の取締というようなものを直接的に宣言したものではありません。しかしながら、私としては、このゼロプランの延長線上に今回の措置がある者であると思います。

そこで、今後の予測です。

おそらく「偽装技人国」として摘発される派遣事業者、派遣先が続発するものと思います。

上述したとおり、今現在においてもこの「偽装技人国」として派遣先で就業している、或いはさせられている外国人労働者は、普通に存在しています。

そして、今なおそのようなことを堂々とやっている会社等は、今回の記事や入管の発信する情報を見たからと言って「あ、やべ、もう止めよう」とは思わないでしょう。つまり、この先も続けるものと思われます。

では一方で入管の姿勢は?というと、めちゃくちゃ本気で取り組むだろう、と私は思っています。

これまでの通報や調査で入管には様々な情報が入っていると思われますので、その情報等を元に摘発が相次ぐものと予想されます。

 

以上、今回は派遣労働者に係る偽装技人国に関する問題に関する記事を取り上げました。

悪いことはせず、ルールを守ってやってれば何も怖くない話なんですけどね・・・。

最後までお読みいただきありがとうございました。