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【第164回】不法就労外国人の通報に報奨金~茨城県が都道府県初の導入~

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。

2月も最終週、まだまだ寒さは続きますね。

でも、それもあと1~2カ月の辛抱ですかね。

春よ、早く来い!!

ということで、今週もスタートです。

 

今回も時事問題を取り上げます。今回取り上げるのは、先日新聞報道で取り上げられた「不法就労外国人の通報をした人に報奨金を支払う」という制度を、茨城県が全国の自治体に先駆けて始めるという取り組みについてです。

では、行きましょう。

 

【報道の内容】

茨城県では、2022~2024年の間3年連続で、退去強制手続きが取られた不法就労外国人の数が全国最多でした。そのような中で、茨城県が2026年度のなるべく早い時期に、不法就労外国人の通報をした人に数万円(現時点での想定)の報奨金を払うということを打ち出しました。

先に行われた衆院議員選挙においては、どちらかといえば外国人に対して厳しい考えを持つ政党が躍進したので、そういった世論の勢いも手伝って、先に述べたような問題のある茨城県が大々的にこのような政策を発表するに至ったものと思われます。

 

【私の意見】

★いいと思うポイント

そもそも「不法」な行為は日本人であっても外国人であっても許されません。

私は、職業柄、真にやむを得ない状況等に置かれて不本意ながら不法滞在、不法就労をしている外国人の方の話を聞くことが多いので、不法=即「悪」ということは思わないのは事実です。

しかしながら、日本は日本人の国であり、外国人が自ら希望して日本に住んでいる以上(この部分は必ずしもそうではない方がいるのも理解しておりますが、ここではとりあえずこう表現しています)、その国のルールに従うのは当然です。

また、中には幼少期に来日し、または日本で生まれた外国人の方等もいるでしょう。そのような方は、「好きで日本で生活しているのではない」という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、このような方も同じだと思います。

なぜなら、日本人であっても「好きで日本に生まれたわけではない」と思っていたとしても、日本人であって日本で暮らす以上、日本という国のルールを守らなければいけないからです。

そのルールが、日本人より外国人の方が制限されているのであって、このことは、日本人が外国に住む場合も同じです。

したがって、茨城県のようにルールを守っていない外国人が多いことが社会的に問題になっているような状況であれば、このような制度を取り入れることは公益性が高いと思います。

すこし話はずれますが、最近話題になっているイスラム教徒の「土葬」問題についても同じことが言えるような気がしています。

イスラム教徒の方の中には「土葬を許してくれない日本はおかしい」と思っている人がいると思います。

しかし、逆の立場であればどうでしょう。

つまり、日本人がイスラム教国内で死亡したとき、果たしてその国は火葬をしてくれるのでしょうか。この点の回答がいずれのイスラム教国も「YES」なのであれば、その主張は正しいかもしれませんが、そうでないならその主張は間違っている可能性が高いです。(そもそも、土葬は環境への影響が非常に大きいという科学的根拠があって火葬が主流になっていると思います。)

信教の自由は守られなければならないのですが、必要かつ合理的な規制や制限は必要であると思います。

要するに、郷に入っては郷に従え、ということかと思っています。(この一言に尽きるというのが私個人の意見ですかね)

 

★懸念点

記事にもありましたが、お小遣い稼ぎ的に考える輩が出てきてしまうという点があります。

ちなみに、入管庁自体も、このような通報制度は設けている(通報して、その外国人が最終的に退去強制されることが決まれば報奨金を支払う)のですが、ここ数年の実績はありません。

先に触れた衆院議員選挙の結果でもわかるように、若干外国人に対して過度な拒否反応を示す人が多くなってきている現状からすると、上記のような小遣い稼ぎをする人が出てくる可能性が高いです。

「小遣い稼ぎして何が悪いのか。不法就労している方が悪いでしょ」という意見があるでしょう。それはその鳥ですね。

が、本当に懸念しているのは、その小遣い稼ぎする人とこれに反発する外国人の間に生じるであろうトラブルです。

この制度の問題点は、国・自治体の解決すべき問題にごく普通の一般人が何の制限もなくかかわることができる(可能性がある)というところにあると思います。

当然ながら、このような問題も考えながらの制度設計がされるものと思いますが、実際の運用をどのようにしていくつもりなのかは大いに注目すべき点であると思います。

そして、もう一点は、上記と被るのですが、上記のような事情と相まって更なる分断を生む可能性をはらんでいる点ですね。

 

 

労働人口が減ることが確定している日本にとって、外国人との共生は避けて通れないものです。

しかし、その共生への道のりはかなり険しい道であり、一歩間違えれば日本という国が壊れてしまう可能性もはらんでいると言っても過言ではないでしょう。

私も含め、日本人・外国人双方が、もっと真剣に考えて行動していくことが必要な時代になりましたね。

ということで、今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。