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【第17回】再入国許可とみなし再入国許可

長久手市の入管業務専門の行政書士・竹内です。

前回までは長々と「特定技能」について書いてきましたが、それは一旦終了しまして、今回はタイトルにあるとおり、「再入国許可とみなし再入国許可」について書いていこうと思います。

日本に在留している外国人は、例外を除いて「在留資格(ビザ)」を持って在留しなければなりません。しかし、外国人の方もいろいろな事情で母国へ戻ったり、海外旅行へ行ったりすることがあります。

このような場合に、私たち日本人と違い、外国籍の方が日本を離れるときは、「再入国許可」又は「みなし再入国許可」を受けて出国をしなければなりません。仮に、このいずれの許可も受けずに出国(単純出国)してしまうと、その時点で在留資格(ビザ)を失います。これは、永住者や特別永住者、高度専門職2号といった在留期間に制限のない方も同様の扱いとなりますので注意が必要です。

【再入国許可とみなし再入国許可の違い】

一言で分けると「基本が再入国許可、例外がみなし再入国許可」です。

基本的には、外国人の方が一時的に出国し、再度入国しようとする場合には、出国に先立って、​「再入国許可」を、地方出入国在留管理局にて取得したうえで出国しなければなりません。再入国期間は最大で5年間(特別永住者は6年間)ですが、その時点で有している在留資格の残存在留期間の範囲内でしか認められません。再入国許可は「在留資格を持って適法に在留している外国人」にしか認められないので、出国時は在留期間中であっても、帰国予定が在留期間後(=適法に在留していない状態となる)である場合には当然許可されません。

一方、「みなし再入国許可」とは、在留資格をもって在留する外国人が、出国の日から1年以内に再入国する場合には、出国時、空港においてみなし再入国許可を受けるだけで、出国が可能となります。この制度は、外国人が出国するたびに再入国許可を取らなければならないという状態では、効率が悪いために考え出された制度であり、今では多くの外国人が利用する制度となっております。

【注意点】

下記の方は、「みなし再入国許可」を受けられないので、再入国許可を取得してから出国する必要があります。

・3か月以下の在留期間を決定されて在留している人(短期滞在の在留資格も×)

・在留資格の取り消し手続中の人

・出国命令の留保対象者

・難民認定申請中の「特定活動」をの在留資格を持って在留している人

・収容令書の発布を受けている人

・相当の理由があるとして法務大臣が認定する人

また、1年以内に再入国する予定だが、もしかしたら1年を超えるかもしれないという方も再入国許可をとっておいたほうが無難です。

なお、再入国許可は疾病等のやむを得ない事由がある場合は、外国の在外公館(日本大使館・日本領事館等)で延長が可能(ただし、在留期間の範囲内)ですが、みなし再入国許可は一切延長ができませんので、注意してください。

再入国許可・みなし再入国期限を経過してしまうと、在留資格は消滅してしまい、その後、日本に上陸しようとしても、再度入国・上陸手続を最初からやり直すことになります(事情や状況により、上陸特別許可等が認められる場合もありますが)。

また、将来的に「永住者」となりたい方や帰化により日本国籍を取得したい方も、この制度については十分に注意する必要があります。「永住者」については、特例を除き、原則10年以上、「帰化」については5年以上「継続して」日本に在留していることが要件となります。この再入国許可又はみなし再入国許可を受けて出国している期間については、原則として「継続して」の期間に含まれます。しかし、再入国許可又はみなし再入国許可による出国中に期限が切れてしまうと、その時点で「継続して」の期間がゼロに戻ってしまいます。そうなると、今まで積み重ねてきた継続期間が無駄になってしまいます。

なお、再入国許可・みなし再入国許可により出国した場合は、再入国の際に査証(いわゆるビザ)は必要ありません。

今回は、簡単に「再入国許可・みなし再入国許可」について書かせていただきました。