長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。
梅雨に入りましたが、ここ数日は晴れ間がありますね。
雨が降っていると気温もあまり上がらず、ある意味快適ですが、梅雨の晴れ間はさすがに夏を感じる暑さと日差しですね。
では、今回もスタートしましょう。
今回もつづきです。そろそろくどいですね(笑)今回で最後にします。
「令和7年度在留外国人に対する基礎調査」の最終回です。
できれば、第175~178回のブログと合わせてお読みください。
【「人権問題・差別」に関する事項について】
この項目は、在留外国人がどのような差別を受けたのか、ということについて選択肢から選んでもらう形式のものです。
昨今では「差別は悪」ということが常識となりつつあるものの、それは表面上であり、実態はまだまだ差別や偏見があるという個人的考えをもちながらこのアンケート結果を見てみました。
まずは、そもそも差別をうけたことがあるのかないのかに関しては、53%が「特に受けていない」と回答しています。この数字が良いのか悪いのか(多いのか少ないのか)は判断できかねますが、個人的にはやはりまだまだ差別・偏見は根強いな、というのが思うところではあります。
では、次に「どのような場面で差別を受けたのか」という問いに対する上位の回答は、
1位「家を探すとき」
2位「仕事をしているとき」
3位「仕事を探すとき」
4位「電車・バス等に乗っているとき」
5位「銀行口座を開設するとき」
となっています。以降、「クレカや携帯電話の契約のとき」「近所の人との付き合いのとき」「学校などの教育の場」「出産・育児のとき」「自分や家族が結婚するとき」などと続いています。
1位の「家を探すとき」に関しては、個人的には納得ですね。実際、私がお手伝いしているNPOでは「家」に関するトラブルが多いのも事実です。
これに関しては、一概にどちらが悪いとは言えない複雑な事情があると思います。
もちろん「外国人?貸さねーよ」などと言ったあからさまなものは許されませんが、貸す側もいろいろなことを考えるのは当然です。
例えばマンションやアパートの賃貸借の場面で「私(貸主)個人は気にしないけど、他の人(日本人である借主)が嫌がるからできれば貸したくない」「ゴミ捨て問題などよく報道で聞くし、文化の違いから日本人住民とトラブルが起こったら巻き込まれたくない」など、色々なことを考えるのはある意味当然ではないかと思います。また、外国人特有の「在留資格(ビザ)」についての不安(制度がわからないため、もし不法滞在者などを住まわせたらどうしよう等と考える)から貸すのをためらうというケースもあるでしょう。
つまり、差別というよりは、「外国人に家を貸す」=「トラブルの火種」という考え方が、まだまだ不動産賃貸業界では根強く、その対応が外国人からしたら「差別」に当たると思われているのではないかと思っています。
2・3位は「仕事」に関するものですね。
このアンケートは、永住者等の比較的法的地位の安定した人が多く答えていますが、技能実習の方もそれなりに多く答えています。しかし、この結果=技能実習生のだけが差別されている、とは一概には言えないでしょう。もちろん、労働トラブルの相談は技能実習・特定技能絡みのものが多いですが、専門・技術的分野の在留資格(ビザ)(例えば「技術・人文知識・国際業務等)でも不当解雇などのトラブルはよくあります。
もちろん、日本人側の視点からすれば「ルールの主張」をしているつもりが、その真意が伝わらず外国人側からしたら「差別」と受け止められるというケースも多々あるとは思います。
このように見ると、やはり差別は根強く残っているのかもしれません。
しかし、その根本にあるのはやはり「文化の違い」「言葉の壁」の2つから来るものが大きいのではないかと考えられます。
例えば、「毎日のように少し遅刻してくる」というのは日本人の感覚では許せませんが、その外国人の国では遅刻自体がそれほど悪いことではないというケースでは、まさしく文化の違いによるトラブルでしょう。
また、仕事が忙しい時に外国人に指示したりしてもうまく通じないというようなことが続くと、どうしても強く当たってしまう、というのも「言葉の壁」の問題としてあるあるだと思います。
不動産の場面でいうと、「しっかり説明したいのに、言葉が通じないからイライラしてしまい、冷たい対応になってしまう」というのもあるのではないでしょうか。
つまり、在留外国人の「日本語教育」、「多文化共生・多文化理解」をどのように進めていくのかが重要になってきます。
「当たり前だろ」と突っ込まれてしまうかもしれませんね。確かに、「多文化共生」はかなり前から聞く言葉であり、だいぶ進んでいると考えている人もいるかもしれません。
しかし、在留外国人が400万人を超え、増加の一途をたどる昨今、これまでも「日本語教育・多文化共生システム」でいいのか?を本気で考え、新たなシステムを構築して実施していく必要があると思います。
この点に関してだけは、外国人の出入国税の増額、在留関係手数料の増額、JESTAの導入などは、そのお金がこういった問題の解決にしっかり使われるという前提であれば、理にかなった制度なのかもしれません。(ただ、在留関係手数料の超大幅な増額はさすがにやりすぎだと思います。)
今回のアンケートからいろいろなことを考えさせられましたが、「日本における外国人との共生」は新たな段階に入っているなあとつくづく感じさせられました。
まだ他のテーマについても書きたいのですが、さすがに長くなりすぎたのでこのシリーズはここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございました。