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【第18回】資格外活動許可(バイトなどの可否等)

長久手市の入管業務(在留資格、ビザ)専門行政書士、竹内朋行です。

今回は、「資格外活動許可」というものについて書いていこうと思います。

日本に相当期間在留する外国人は、日本への入国(上陸)の際に、入国審査官により審査が行われ、上陸が許可されれば、在留資格(ビザ)と在留期間が決定されます。そして、当該外国人は、法令で決められたその在留資格に対応する活動を行うことになります。

そして、その「在留資格に対応する活動」に該当しない「報酬を受ける」活動は、原則として認められません。

例えば、留学生や日本で働いている夫又は妻の扶養を受けて生活する配偶者がバイトをすることはできないのです。しかし、実際にはそこら中で留学生や主婦・主夫の方々がバイトをしています。

その理由は、彼らは「資格外活動許可」を受けているためです。

資格外活動許可とは、「現にもっている在留資格の活動を阻害しない範囲」で上述した​「在留資格に対応する活動以外の「報酬を受ける活動」を行う場合に、取得しなければならに許可なのです。

「報酬を受ける活動」とは、簡単に言うと給与等をもらう活動(厳密にいうとされだけではありませんが、ここではこのような定義とします)です。したがって、「報酬を受けない活動」には、一切制限がありません。例えば、技術・人文知識・国際業務の在留資格をもって日本で働いている外国人の方が、休日にボランティア活動に従事したり、無給で教育機関の講師を務めたり、働きながら大学等に通うような場合は、資格外活動許可を受ける必要はありません。ただし、上述のとおり「現にもっている在留資格の活動を阻害しない範囲」で行わなければならないので、資格外活動を行うことにより、「現にもっている在留資格の活動」が疎かになってはいけません。

例えば、留学生の場合は、学業が主たる活動=在留資格の活動に対応する活動ですので、アルバイト等(資格外活動)を行うことによって、授業を休みがちになったり、ほとんど学校に通っていないような場合は、資格外活動許可の範囲内の活動には含まれません。しかも、そもそも「在留資格に対応する活動」を行っていないと判断され、在留資格が取り消されたり、在留期間の更新が認められないということになります。

なお、「永住者・特別永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者」の在留資格をもって在留している外国人の方は、資格外活動許可を受ける必要はありません。なぜなら、これらの在留資格保持者は、活動範囲の制限がないためです。これらの方々は、日本人同様働くことができます。

この資格外活動許可で注意すべき点として重要なものに「就労時間制限」があります。この資格外活動許可において認められる就労時間は「週28時間以内」です。この「週28時間以内」は、どの日から計算しても28時間以内でなければならず、もし、これを超えた就労をさせていると外国人本人はもちろん、その雇用主も罰が科されます(不法就労助長罪)。また、これを遵守していない場合、永住許可申請、在留期間更新許可申請等も不許可となる可能性が高いです。(なお、報酬額の上限は特に定められていません)

資格外活動許可を得たとしても、就労できない業種も定められており、仮に資格外活動許可を得たとしても下記のような場所で働いたりしていると不法就労になります。

・パチンコ店、麻雀屋、スナック等(風俗営業)

・ソープランド、ラブホテル、アダルトショップ、テレクラ、デリヘル等(性風俗系)

・ナイトクラブ等(特定遊興飲食店営業) 等

このような場合に、「パチンコ店のフロアでは一切働かず、裏方の事務担当専属の場合はダメなのか?」などの疑問が生じるところですが、原則、上記のような場所・施設に出入りすること自体に問題がある、という考え方ですので、回答としては「×」となります。

一方で、例えば様々な業種を営んでいるある法人が、その主たる業種の一つとして風俗営業を営んでいるとします。そのような場合で、その法人が風俗営業以外にも、例えば、ファミリーレストランを経営しているとします。この場合、資格外活動許可を得た外国人が、その法人のファミリーレストランで働くことは問題がありません。

なお、「留学」の在留資格で在留している大学生等が、卒業、退学等して教育機関に在籍しなくなった場合は、資格外活動も行えないため、このような期間中にバイトを引き続き行っていると不法就労に当たりますので注意が必要です。

「留学」「家族滞在」(「一部の特定活動」)の在留資格で在留している者が資格外活動許可を受ける際は、包括的な許可を受けることが可能です。つまり、バイト等をするつもりがあるが、まだ就労先が決まっていないというような場合でも資格外活動許可を受けることができるほか、バイト先を変更してもそれを届け出たりする必要はありません。

以上、今回は「資格外活動許可」について簡単に説明させていただきました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。