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【第182回】ついに始動!「日本語・生活学習プログラム(仮)」の創設

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続き専門特定行政書士、竹内です。

梅雨の時期とはいえ、最近涼しい、というか肌寒い日がちょくちょくありませんか?もちろん、湿度は高めなので「快適」とまでは言えませんが、あまり汗をかかないため何となく私的に「快適」な気がします。

でも、雨はやはりだるいですね(笑)

梅雨が明けた夏の日差しが待ち遠しい反面、この梅雨の微妙にすずしい時期がもう少し長引いてほしい気持ちも出てきている変な情緒ではありますが、今回もスタートしましょう!

 

今回は、以前から入管庁が明示していた動きが具体的に動き始めたので、それを題材にして書いてみようと思います。

 

【「日本語・生活学習プログラム(仮)」って何?】

入管庁は、今年1月に「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」​​というものを取りまとめました。

在留外国人が増加し、そのうち多くの外国人はルールを守って適正に生活しているが、一部の外国人にはそうでない者がいる。これにより、日本人に不安・不公平感が生まれているという状況をどげんかせんといかん、ということで、国民の安全・安心を確保するための受入れ環境整備​の必要性が謳われました。

その一環として、外国人が日本語や日本社会のルール等を学び、日本社会に生きる者として責任をもって行動できるようにするための体系的な学習プログラムを導入をすることが、この問題の解決のために大きな役割を果たすとして今回動き出したのがこの「日本語・生活学習プログラム(仮)」の創設なのです。

 

【結局何?】

大まかにいうと、日本で生活する外国人に対して

➀ 日本語学習機会

➁ 日本のルール(文化、生活習慣等)の学習機会

を、国が主導し、地方公共団体、外国人を受け入れる企業等、民間団体等と連携して、これまでの動画提供などのみではなく、実効的かつ体系的な学習ブログラムを創設しようとするものです。​

 

【これまではやってなかったのか?】

これまでも入管庁はそういった取り組みをしていました。例えば、

・相談窓口の整備(外国人在留支援センター(FRESC)での相談対応、自治体の一元的相談窓口の設置等)

・地域日本語教育の総合的な体制づくりの推進

・日本語教育プログラムの開発・試行に対する支援​

・​外国人支援コーディネーターの研修・認証等や、現職日本語教員に対する研修等

・民間支援団体を通じた外国人向けの情報発信等

・生活・就労ガイドブック​の作成

・各種動画等の作成

しかし、これらはあくまでも一方向であり、その周知方法も問題があったこともあり、奏功していないのが実態です。

 

【あかん、これはもっと本気でやらんと意味ないで】

このような状況下で、外国人との秩序ある共生​を真に実現するためには、外国人の、日本の文化・慣習の理解促進、自主的な社会参加の促進、日本国内の各制度に対する理解・法令遵守、日本語能力向上や就業促進が必要であると結論付け、国を中心として、地方公共団体、民間事業者、民間団体、官民一体となって有意義なシステムを構築していかないといけないとして、本気になったのです。

 

【対象者は?外国人全員?】

対象となるのは、一言でいえば「日本で中長期間にわたって生活しようとする外国人」​です。​

 

【具体的にどのようなことを学ぶのか?制度の内容は?】

対象外国人は、以下の2点を学習します。

➀​日本語学習

➁生活上のルール等に関する学習

そして、学ぶタイミングとしては、「入国前・入国直後」「​中期以降」など、場面ごとに違う内容を学ぶことを想定しているようです。

上記「①日本語学習」の大雑把な目的は、日本に中長期にわたって生活するであろう外国人が「自立した言語使用者​」として、日本で生活していくことができるようにすること、と言えそうです。

また、「➁生活上のルール等に関する学習」に関しては、例えば「中期以降」ではその者のライフステージに合わせた学習内容(例:出産・育児、教育、介護等)を選択できるようにすることを想定しています。

子どもに関しては、日本の学校への就学が望ましいとしながらも、場合によっては子供向けのプログラムの創設も検討し、また、親の在留審査において子供の就学状況・プログラムの受講状況を条件の一つにすべきであるという意見も出ています。

学習内容は、原則として、家族滞在、日本人の配偶者等、はたまた受入機関のない個人事業主など、日本語学習機会が特に乏しいとされている外国人を想定して作成すべきとの意見もあります。

 

【学習方法】

対面、ICTおよびスマホの活用(いずれも双方向型)、そしてこれらの混合の方法で、外国人の都合や希望に合わせて選択できるようにすべきである、というのが大まかな意見ですが、対面での学習効果の高さを理由に、対面が重要視されるべきであり、国が各自治体と連携して受講を強く促すという行為が必要であるという意見も出ていますね。

特に、入国前の講習はネット環境(ICT)を活用するほかないので、この点のシステム構築は必須になります。

単なる動画視聴などの一方向のものは、これまでの実績のとおりあまり意味をなさないため、今回のプログラムにおいては想定されていません。​

私のイメージ的には、「入国直後」のプログラムは原則対面、「中長期以降」のプログラムは利用外国人の希望に合わせて対面・ICTを選択できる、というような感じで進むよう気がします。

ICT(ネット、スマホ、オンデマンド学習)に関しては、なりすまし受講の懸念から、その点の対策をしっかりしないとアカンのんとちゃうか?という、ごもっともな意見も出ています。

【在留申請との関係】

これに関しては、以下のような意見が出ています。

・永住許可申請および帰化許可申請の際には、このプログラムの受講を許可要件にすべきである。

・長期間(例えば10年以上)日本に住もうとする外国人には、永住許可申請等をするのでなくとも、このプログラムの受講を在留資格変更・在留期間更新の許可要件にすべきではないか。

 

その他、地方公共団体、民間団体との連携に関しても様々な意見が書かれています。

一つ挙げると、制度の基本は国が行い、それにプラスαして、各地方ごとに独特なルールや慣習、方言等の学習プログラムを組み込むべきである、という意見もありました。

 

これを実現するためにはかなりのお金と時間がかかる、まさに一大プロジェクトと言えるでしょう。

現時点でこれがどのような流れで進んでいき、完成にこぎつけるのかは未知数ですが、国も本気であることは見て取れるので、しばらく注視していきます。

以上、今回はここまでにいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。