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【第183回】特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について~令和8年3月末時点・速報値~

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続き専門特定行政書士、竹内です。

7月ももう半分以上終わってしまいました。

ということは、もうすぐ夏休み、子供たちはわくわくしている頃ですかね。

私は、子どもの頃、とにかくできる宿題はソッコーで全て終わらせて、あとは遊び尽くす!というめずらしいタイプの子供でしたね。

今でも「どうせやらなきゃいかんのだから早くやる」という性格は変わってないですね。

これで損したことはないので、まあ良いことなのでしょう。

ということで、今回もスタートです。

 

今回は「特定技能1号の受入れ見込数」に関して先日入管庁が発表しましたので、それについて簡単に触れたいと思います。

 

まず、これを発表した理由は、間違いなく「外食業分野、突然の受入れ停止発表」でしょう。

入管庁は、今年3月頃、突如として特定技能1号の「外食業分野」について、受入れ見込数の上限に達する見込みが出てきたことを理由に、2026年4月15日から新規の受入れを停止するという措置を取りました。

これを発表するや否や「いきなり過ぎる!」「時間とお金をかけて準備してきた外国人に対して酷すぎる」「(外食業界から)いや、全然足りてませんけども!」など様々な批判が飛び交いました。

このような声を無碍にするのもイメージが悪く、また、次に受入れ停止をする際に「いきなりじゃないよ。前から状況公表していたでしょ?」と言えるようにするために、今回このような発表に至ったものと推測されます。あ、これはあくまでも個人的見解です。

ということで、その発表された「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年3月末時点・速報値)​」についてくっちゃべっていこうと思います。

 

【そもそも「受入れ人数枠」って何なん?】

今回の入管の受入れ停止措置は、制度の仕組み上では「当然」の措置ではあります。(発表のタイミングは別として)

特定技能という在留資格(ビザ)は、人手不足を解消するために創設された在留資格(ビザ)です。

そして、この制度を導入するにあたって、人手不足の産業分野はどの分野か、人手不足を解消するためにその業界はどのような努力をしているのか、そのうえで何人足りないのか、というようなことをまとめ、それを「基本方針」として公表しています。

この中で「何人足りないのか」という部分が「受入れ人数枠」なのです。基本方針の中では、細々したことが語られたうえで、「故に○○○○人足りない」と結論づけられて、その具体的数字をそのまま「受入れ人数枠」として取り入れているのです。

つまり、100人足りないんなら、100人受け入れれば人手不足は解消なんでしょ?

平たく言えば、そういうことです。

 

【問題点は何なのか?】

今回の対応(「外食業分野」の受入れ停止の対応)で最もまずかったのは、言うまでもなく「発表のタイミング」です。

受入れ停止の1カ月前頃に「4/15から受入れ停止します」といきなりパッと発表されたため、大混乱に陥って批判が噴出したのです。

そして、もう一つのまずかった点は「制度の周知不足」であろうと思っています。

つまり、一般の人はもちろん、一部の業界の人間においても、そもそも「受入れ人数枠」があることが知られていなかったこと、そして、入管庁としてもその周知を怠り、気づいたら「あ、もうすぐ受入れ上限達するやん!早く発表せな、でも、あと1月しかないやん、でも言わなあかんやん、もうええわ、発表したれ!」という感じでやった(?)ので、余計めちゃくちゃになってしまったのでしょう。

なので、今回の受入れ状況の公表は、こういった反省を活かして行われたのだと思われます。これからも定期的に発表されることになるでしょう。

 

【で、現在の受入れ状況はどんな感じなん?】

以下、タイトル記載の令和8年3月末時点の数字に基づいて書きます。

まず渦中の「外食業分野」に関しては、95.4%となっており、7月になっていることも考えると実際に受入れ上限に達しているのでしょう。

では、次に受入れ上限に達する可能性が高い分野を見てみると、

① 飲食料品製造業分野

この分野は、既に72.2%に達しています。また、年間増加数も20,000人を超えているため、単純に次に受入れ停止措置が取られる可能性がもっとも高いのはこの分野でしょう。

➁ 介護分野

介護分野は、飲食料品製造業分野に次いで充足率が高いですが、それでも58.9%で​まだまだ多少余裕があるように思われますが、年間増加数が約26,300人と最も多く、外食業がダメなら介護へ!と考える外国人が殺到すれば、早期に受入れ停止となるおそれもある分野かと思います。

 

逆に、特定技能制度創設時から存在している分野にもかかわらず、受入れ人数が増えていない(平たく言えば人気がない?)分野としては、造船・舶用工業、ビルクリーニング、宿泊、漁業あたりですね。

個人的なイメージでは、宿泊あたりは人気がありそうな感じがしますが、そうでもないようですね。そもそも、受入機関側が外国人の採用に二の足を踏んでいて増えていないという可能性もあります。ただ、時々宿泊しに行ったりすると、その宿に外国人従業員がいるのはよく見るようになった気はしますよね。

あと、宿泊が伸びない原因の一つに、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)との関連がある気がします。

特定技能1号で外国人を受け入れるのは、受入機関側にとっても大変です。やることが多い、支援計画に沿って支援する必要がある、支援機関への監理費用が発生する、もし外国人に何かあったら受入れできなくなるなどのリスクが大きいです。

その点、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)に関しては、そのようなことは全くありません。

つまり、通訳や外国語での接客、或いは将来の幹部候補者として外国人従業員を雇い入れた方が雇う側は楽なのです。もちろん、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)で受け入れた外国人に、ベッドメイクや荷物運び、レストランでのホールの仕事を主として行わせることはできませんが、それをやらせてしまっているケースも多いのではないかと思います。

もっとも、このようなことをしていると、先日発表された「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」の餌食になるので、絶対にやめましょう。

 

【受入れ人数枠の問題点】

足りない人数受け入れたなら、人手不足は解消したのではないか?ということになりますが、残念ながらそう簡単には行かないのが現状です。

まず東京などの大都市に関しては、地方に比べれば受け入れた外国人材により若干なりとも解消に向けてすすんでいるでしょう。

問題は地方です。

外国人の方の多くは(言い過ぎかもしれませんが)、来日すると都会に行きたがります。

その理由は、賃金が良い、仕事がたくさんある、(このことの結果として)知り合いが多いなどと言ったものが多いです。

では、「外国人の移動の制限をすればいい」と思うかもしれませんが、これは憲法違反(22条、いわゆる移動の自由違反)となるおそれもあるため、まずできません。

来年4月から始まる育成就労制度でも、この地域間格差に関してどげんかせんといかんということで、必死に対策を講じていますが(受入れ人数枠の優遇)、はっきり言って全く意味はないと私は思います。

では、どうすればいいんだ?ということになりますが、即効性のある解決策はありません。

少なくとも、国を挙げて本気で(文字通り国も国民も挙げて)取り組まないと解決はできません。

首都機能を各地に移転するなどして、各地に大都市をつくるとともに、各都市の魅力を世界にアピールして各地を盛り上げて、その結果その都市の周辺の地方に住むという選択肢を取らせたり、地方に住むことが都会に住むよりもいいと思わせる何か(地域の魅力、企業そのものの魅力など)を、数十年かけて実現させたり、なんせこれまでとは規模も考え方も違う大胆なことを「時間をかけて」行わないとこの問題を解決することはできないでしょう。

外国人の方(とくに、いわゆる出稼ぎに来ている外国人の方)にとっては、だいぶ地方都市も知られるようになったとはいえ、日本=東京・大阪・京都というイメージはまだまだ根強いです。

 

ということで、思った以上に熱く語ってしまったので、今回はここまでとします。

最後までお読みいただきありがとうございました。