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【第184回】着々と進む「不法滞在者ゼロプラン」~具体的な体制強化へ~

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続専門特定行政書士、竹内です。

東海地方はついに梅雨明け、夏本番ですね。名古屋は40度予想の日も出てきていて、夏のわくわく感にも増して恐怖も感じざるを得ない昨今の夏。

また、暑さだけでなく豪雨災害なども心配です。

今年の夏は、酷い自然災害が起こりませんように…。

と、祈ったところで今回もスタートです。

 

今回は、昨年(2025年5月)に突如として発表された「不法滞在者ゼロプラン」、そして本年5月頃発表された「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」、そして同タイミングで発表された「不法就労等外国人対策の推進​」、そして本年1月に発表された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」、更には来年4月から始まる育成就労制度の開始に伴う在留外国人の更なる増加に相まって、目まぐるしく変化し続ける外国人関連政策について、ついに「具体的に(外から見て明らかに)」動き始めたという新聞記事を目にしたため、その内容について触れていこうと思います。

 

【今回「具体的に」動き始めたこととは?】

ずばり「入国警備官」および「入国審査官」の増員です。

入国警備官とは、簡単にいうと「執行する」人です。不法滞在者を現場で摘発したり、退去される外国人を送還する役割を与えられた人であり、警察組織で言えば現場の刑事さん的な人です。

一方「入国審査官」は、基本的に入管建物内におり、在留関係の審査したり、手続きについて国民(外国人含む)説明したり、審査結果を本人らに通知したり、いわば形式的な在留関係業務に係るデスクワークを中心とする仕事に当たる人です。ちなみに、その入国審査官のうちの偉い人が、主任審査官、特別審理官などと言われます。

入国警備官の増員の規模については、記事によると「50人」ほど、そして、最も不法就労者が多い茨城県を中心に配置される予定とのことです。(ちなみに、年度の途中での増員は異例です。)

これにより摘発が増え、成果を残せれば、他の都道府県でもその実績を引っ提げて増員へ繋げることができるため、何とか成果を残したいというのが入管庁(法務省)の狙いでしょう。

後者の入国審査官の増員の規模は、180人ほどとされています。

この増員した入国審査官は、在留審査の迅速化を図るために審査の業務に導入されるのみならず、不法就労の実態調査の強化担当としても利用されるようです。

つまり、これまでは書面審査のみがほとんどであり、実態調査は人員不足により中々手が付けられず本当に必要な場合に限っていたところ、この増員により、実態調査を取り入れる審査数が増えるということです。

 

【今後への影響】

まず、当然ながら摘発が増え、そのニュースが増える(あえて増やすようマスコミなどに働きかける)ことにより、世論は「入管庁よくやった」的な方向へ進む可能性があるでしょう。

現状、未だに「不法就労者」「偽装滞在者」「不法就労助長者」(以下、不法就労者等という)はたくさんいます。

なお、偽装滞在者とは、在留資格は持っているものの、虚偽等でその在留資格を持っている者、あるいは、持っている在留資格に見合った活動をしていない者、を指します。

不法就労助長者は、外国人に不法就労させている者(外国人に限らない)のことです。なお、この不法就労助長者は、その行わせている就労活動が不法就労活動であることを知らなかったことを理由に免れることはできません(原則)。

これにより、不法就労者等の摘発の激増という状況になっていきます。

さらに入管庁(法務省)は、関係各所に働きかけて「不法就労助長罪」を各種許認可における「欠格事由」として法定するよう画策しています。(これも先日ニュース記事になってました)

例えば、建設業許可の欠格事由(許可を受けるためには該当してはならない事由)にこの「不法就労助長罪」を加えた場合において、A建設業者が不法就労助長罪により摘発され有罪判決(例として100万円の罰金刑)を受けたとします。

こうなると、A建設業者は、欠格事由に該当することになるため、建設業の許可が取り消されます。それだけで済むでしょうか?そんなわけありません。許可がなくなると、一定規模以上の建設の仕事もできなくなります。仕事ができなくなると、従業員の給料も払えません。更に、A建設業者が特定技能外国人や技能実習生を受け入れている場合、この罰金刑により特定技能外国人等の受入もできなくなります。さらにさらに、その特定技能外国人の転職の支援もしてあげる義務が発生します。しかも、5年間新たな受入れもできません。

このような状況になると、もはや当該者本人のみの問題ではありません。家族や知人、取引先にも多大な迷惑・心配をかけることとなり、社会的信用も地に落ちるでしょう。

恐ろしいですよね。1つの罰金刑で会社が倒産まで追い込まれる可能性があるということです。そして、この「不法就労助長罪」を欠格事由に追加することにより、より多くの企業や組織が上記のような状況に追い込まれることになるかもしれません。

 

この記事を読んでくれた方の中に「外国人」を受け入れている(雇ったりしている)方がいて、もし入管法(在留資格制度)に関する知識がない方は、すぐに勉強して知識を付けるか、我々専門家のサポートを頼っていただくことを推奨いたします。

 

というわけで、今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。