長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続き専門特定行政書士、竹内です。
7月も終わりましたね。
子どもの頃の私にとって8月は、夏休み本番でもありながら、夏休みの終わりへのカウントダウンという思いもどこかにあり、何となく微妙な気分で過ごしていたような記憶があります(要するに7月中はハイテンションだった笑)。
大人になった今はというと、8月はイベント月間!という思いで、かなりプラスの思いをもっています。
仕事は仕事でしっかりやりますが、土日祝を中心に、任意でやっている音楽の活動でイベントへ参加させてもらえるので、それが楽しみでわくわくしておるのです。
ということで、子どものころとは違ってテンション高めの状態で、8月スタートです!
今回は、先週報道されました「永住許可」に関するトピックを取り上げます。
永住許可要件の厳格化に関しては、以前から言われていましたが、今回はどのように厳格化されるのか?という部分がだいぶ明らかになってきました。
以下、報道内容に関して述べますが、今回も「確定」ではございませんのでその部分はご了承の上、ご参考にしていただけると幸いです。
それではスタートです。
【現在の永住許可要件の概要】
法律(入管法)に定められている永住許可要件は、大きく以下の3点です。
➀ 素行善良要件
➁ 独立生計要件
➂ 国益適合要件
まず「①素行善良要件」は、読んで字のごとく、素行が悪い人は永住許可しません、ということです。
詳細は省きますが、罰金刑以上の罪を犯していない、軽度の罪や法違反であってもそれを繰り返し行っていないこと等を求めるものです。
そして「②独立生計要件」は、自分(達)の収入で十分生活していけることを求めるもので、申請人本人のみならず世帯単位で満たすことが求められています。
最後に「③国益適合要件」は、その人(永住許可申請する人)が日本に永住することが、日本にとって利益をもたらすものであることを求めるものです。これには、「①素行善良要件」にも共通するものもあったり、「法令違反」を厳しく見たりするもの等があります。なお、よく聞く「(原則)10年以上在留」というのは、この「③」の要件です。
【どのように厳格化されるのか】
今回厳格化されるのは、上記「②独立生計要件」と「③国益適合要件」の中身で、具体的には以下の4点です。
1.年収要件の引き上げ
2.将来の年金受給額要件等追加
3.日本語能力および日本の制度への理解度要件追加
4.日本人や永住者の配偶者の緩和措置の見直し
まず「1.年収要件の引き上げ」についてです。これに関しては、入管としては具体的な額を一切示しておりませんでしたが、実務上の取扱いとして、年収300万円が一つの目安とされていました。
今回は、これに関して「日本人世帯年収の平均を上回る」ことが求められるようになります。
単純にウェブで検索すると530万円くらいとでてくるので、厳格化後は、世帯年収550~600万円以上を目安にすることになりそうです。
しかも、これを5年間継続しなければなりません(これに関してはこれまで同様です)。
さらに、この世帯年収には「家族滞在」などの在留資格で在留している配偶者等がアルバイトで得た収入は含めることができないようです。
次に「2.将来の年金受給額要件等追加」についてです。
これは、将来もらえる年金額(受給見込み額)が、上記「1.」の年収で30年間働きながら厚生年金に加入していた場合の受給見込み額に達していることが求められます。
私の勉強不足で現時点で正確にはわかりませんが、(基礎年金と合せると)月額14万円前後(以上)の年金受給が見込まれることが必要です。
なので、国民年金に加入している自営業者(私などがまさにそうです)などはそれだけではこの要件を満たすことができないことになりそうです。
ちなみに、年金受給予定額がこの基準に満たない場合でも、それを補う預貯金や資産があれば、それを評価した上で許否が判断されるようです。
3つ目が「3.日本語能力および日本の制度への理解度要件追加」です。
これに関しては、単純に、Ⅰ.日本語能力の試験等に合格すること、Ⅱ.講習受講(今まさに国が動き出している共生に向けた取り組みの一環、第182回のブログで触れています)を要件とすることになりそうです。
Ⅰ.の日本語能力に関しては、単純に日本語能力試験N2の合格相当以上のものが求められる可能性が高いでしょう(これは私見です。)。
Ⅱ.は、これから開始される、外国人に対する日本の制度やルール等を学ぶ講習プログラムの受講(およびその評価に準ずるもの)を永住許可の要件とすることになりそうです。(第182回のブログで書いた「日本語・生活学習プログラム(仮)」が絡んでくるものと思われます。当該プログラムについてはそのブログをご参照ください。)
最後に「4.日本人や永住者の配偶者の緩和措置の見直し」についてです。
現在は、日本人の配偶者、永住者(特別永住者含む)の配偶者は、婚姻後3年+1年以上日本に継続在留という、通常より短い期間で永住許可申請が認められています。
この要件が厳しくなるようです。
新基準は、報道によると婚姻後5年+3年以上日本に継続在留、と引き上げされるようです。
【いつから始まるのか】
新聞の記事によると、
➀ 2026年10月に改訂
➁ 2027年4月の申請分から新基準(改定後の基準)で審査
となるようです。
【まとめ】
この改定により、永住許可は文字通り「日本にとって積極的かつ具体的に利益をもたらす者」にしか認められない狭き門となることが確定しました。
本年10月からは、この厳格化に先立って、永住許可がOKとなった場合の入管の手数料が1万円⇒20万円(20倍です。)に変更されることが予定されています。
現時点で、永住許可申請要件を満たしている人で、かつ、今後も日本に住み続けたいという人は、本年9月までに永住許可申請すべきです。(申請さえしてしまえば、許可になれば旧料金・旧基準でOK。ただし、不許可になったり、不受理で提出自体が間に合わなかったりしたら、再申請のタイミングしだいでは新基準・新料金になってしまいます。なので、確率を挙げるために、このタイミングで永住申請する人は私たち専門家に依頼することをお勧めします。)
それができない人も、可能であれば、次のリミットである2027年3月までには永住許可申請してください。そうすれば、料金は20万ですが、条件は旧条件(厳格化前の条件)で審査してもらえます。(入管は内部で公にしていない取扱いを知らないうちに採用していることもあるので、実際はどうかはわかりませんが。)
思っていたとおり、かなりの厳格化となりそうですね。
今回は、以上です。繰り返しになりますが、上記の文章は、あくまでも報道内容およびそこから考察した私の私見により構成されております。確定ではありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。