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【第197回】育成就労①~制度趣旨とポイント~

長久手市の在留資格(ビザ)をはじめとする外国人関連手続き専門特定行政書士、竹内です。

11月に入りましたね。今年も残すところあと2月。

寒さも日に日に増してきており、冬嫌いの私としては鬱々としています。

とはいえ、頑張って生きていかないといけないので頑張ります!

今回もブログ始めます!

 

今回からは、基本的にずっと「育成就労」「特定技能」関連の記事を書いていこうかなと考えています。

まずは新制度である「育成就労」について書いていきます。今回はその第一回目です。

初回ということで、まずは制度の「趣旨とポイント」から触れていこうと思います。

 

【育成就労制度の趣旨】

この制度趣旨を一言で表すと、

「特定された人材不足産業に限り、人材育成および人材確保を目的として外国人を雇用することができる、技能実習の発展的外国人雇用制度」

と言えます。

目的は以下の3点に分けられます。

①人手不足産業の救済

人手不足とされる産業(=育成就労産業分野と言われます)に限って受け入れることができます。つまり、どのような業種・分野でも受け入れられるわけではありません。この育成就労産業分野自体も、諸事情を踏まえて国が定めます。

②人材育成

旧(現行)制度である技能実習は、法的には特定技能とは別の制度でした。

しかし、この育成就労制度は「特定技能(第一号)」の前段階と明確に定められ、育成就労を通じて特定技能(第一号)レベルの人材を育てることが目的の一つとされました。

ということは、必然的に「育成就労産業分野 ≒ 特定技能産業分野※」ということになります。

※「=」ではなく「≒」としたのは意味があります。以下にて、または、次回以降説明します。

➂人材確保

これは文字通りで、育成就労⇒特定技能1号⇒特定技能2号へと人材育成していくことにより、将来的な人材不足への対策にしようということです。育成就労・特定技能1号は在留期間に上限がありますが、特定技能2号についてはそれがありません。

 

【育成就労制度のポイント】

ポイント①「3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成&その人材を確保すること」

育成就労制度は在留期間の上限が(原則)3年とされています。従って、3年を経過する前に日本を出国するが、特定技能1号の在留資格(ビザ)へ変更するか、いずれかを選択することとなります。

上述のとおり、育成就労制度は特定技能制度の前段階であると明示されている関係上、制度は後者を想定しています。一方、技能実習制度では、(実態は別として、あくまでも制度上は)日本で技術を習得等したら帰国して母国の発展に資することが目的とされていました。

 

ポイント②「基本方針・分野別運用方針​」

政府は、育成就労制度を適正に行うために基本方針・分野別運用方針を策定します。ここでは色々な事項が定められますが、主なものとしては「受入れ上限人数」等があります。

昨年3月末に特定技能制度における「外食業」分野の受入れが突如として停止されるというニュースで騒がれましたが、あれも元々特定技能の基本方針で定められていた「分野ごと」の「受入れ人数枠」に達することになったための措置でした。

基本方針では、「人材不足分野はどの分野か」「人材確保のためどのような努力をしたか」「その努力をした上でなおどれほど足りないのか」という観点から「分野ごとの不足人数」を割り出し、それをそのまま「受入れ上限」として設定しています。なので、「不足している人数を確保したのであれば、これ以上受け入れる必要はない」という考え方になっており、受入停止ということになったのであり、ある意味制度上当然の措置ともいえることは言えます。

 

ポイント➂「外国人育成就労機構」

技能実習制度においては「外国人技能実習機構」というのがありますが、育成就労制度においてもそれの発展型の「外国人育成就労機構」というものが(地方事務所含め)全国主要都市に置かれます。

この2つは似たようなものですが、「発展型」と記入したとおり、後者の役割が増加しています。

それも踏まえて「育成就労機構」は以下のような業務を行います。

・育成就労計画の認定

・育成就労実施者の届出の受理、監理支援機関の許可申請の受理等

・育成就労実施者や監理支援機関に対する指導監督(実地検査・報告徴収)

・育成就労外国人からの申告・相談対応&必要な情報の提供や援助

・育成就労外国人の保護に関する業務(※後述あり)

育成就労機構は、技能実習制度同様、育成就労制度においてもその手続きの中心的な役割を担います。

 

ポイント④「育成就労計画の作成」

これも技能実習制度のやり方を引き継いでおり、育成就労を行わせようとする者(受け入れ企業等。以下「育成就労実施者と言います)が、入管への在留諸申請の「前」に作成して、機構の認定を受ける必要があります。

技能実習制度との大きな違いは、育成就労制度では一定の条件下で「自己都合による転職」が認められる点です。この転職の場合でも、新たに育成就労計画の作成&認定が必要となり、その認定後でなければ在留資格変更許可申請もできず、さらにその許可を得た後でなければ新たな勤務先で働くことはできません。

 

ポイント⑤「育成就労外国人の保護​」

技能実習制度から育成就労制度に移行するに際して大きな課題となっていた問題の一つが、育成就労制度を利用して働く外国人(以下「育成就労外国人」と言う)の保護の問題です。

育成就労制度においては、関係主務大臣(実際には入管官署や機構)が育成就労外国人からの相談に応じることが義務付けられていることはもとより、人権侵害行為を受けた育成就労外国人が引き続き育成就労を継続す
ることができるよう、機構において転籍を支援する体制を整備することも義務付けられており、ハローワークとの連携を図ることも明示されています。

実際に、特定技能や技能実習で来日した外国人が、勤務先を辞めてしまいその後就職先が見つからない、という問題は多々あります。

 

ポイント⑤「二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定 ​」

育成就労制度においては、日本政府と「二国間取決め」というものを締結した国からしか外国人を受け入れることはできません。2026年11月2日現在その対象国は、ウズベキスタン、スリランカ、タイ、バングラデシュ、東ティモール、 ラオスの6カ国ですが、今後制度開始前までに増えていくものと思われます。

そして、「送出機関の認定」についても前制度の反省を踏まえて変更されています。なお、送出機関とは、日本で働こうとする外国人の求職の申し込みを受け、それを日本の監理支援機関へ取り次ぐ外国の企業等のことです。

技能実習制度​においては、外国人本人やその家族らから高額な金額の支払いを受けるなど不適切な送出機関が散見されたため、その対策として送出機関の認定が厳格化されています。その厳格化の最も大きな点は、送出機関が外国人等から収受する費用に上限を設けた点です。これを満たしていない(認定を受けていない)送出機関からの取次を受けることはできません。(実際にこれがどれほど機能するのかはわかりませんが。)

 

​以上、今回は育成就労の趣旨とポイントについて書きました。

次回は育成就労の流れについて書こうと思っております。

最後までお読みいただきありがとうございました。​