こんにちは、長久手市の入管業務(在留資格、ビザ)専門行政書士の竹内です。
今回も、また前回、前々回同様こんなときどうするシリーズの3回目をやってみようと思います。
今回は、遂に新年度を迎え、既に桜も満開となっています。そういった時期的なことも踏まえて、留学生の就職に関して書いていきます。
日本に来ている留学生の多くは「留学」もしくは「家族滞在」という在留資格(以下、ビザ)を持って在留している方が多いのではないかと思います。
【就職活動について】
就職活動については、一言でいえば基本的に日本人と同じです。
もちろん、外国人向けや外国人限定の特殊な採用や就職フェアなどをやっている企業・団体もあるかとは思いますが、就職活動の時期ややり方等の基本は日本人と同じです。
【就職する場合の在留関係手続き】
上述のとおり、留学生は、当然のことながら既に日本に居住しているため、既に何かしらのビザ(留学、家族滞在など)をもっていますので、就職する際に必要な在留手続きは「在留資格変更許可申請」となります。
外国人の方が、外国で大学等を卒業してから、日本で就職する場合には「在留資格認定証明書交付申請」という手続きが必要です。
この2つの違いで大きいのは、「申請できる者」の違いです。
後者は、申請人である外国人が外国にいる(日本にいない)ことが当然であると想定されているため、就職先である企業の職員等、法上定められた一定の者が申請人(申請代理人)となって申請することが可能です。(つまり、外国人本人が申請することが必ずしも要求されない。就職先の職員等が申請書を作成・提出してもよい)
これに対して、前者は、原則として、外国人(留学生)本人が申請を行わなければなりません(もちろん、どちらのケースも我々行政書士等専門家に取次を依頼することもできます。ただし、あくまで取次であり代理ではないので、署名等はご本人等にしていただくことになります)。
そして、この「在留資格変更許可申請」をするタイミングは、「その事由が確定した時点」で行わなければならないことになっています。
つまり、大学等を卒業後就職する場合には、就職先から内定通知書等が交付された場合に行うことになります。ただし、内定から就職(就業開始)までにかなりの期間がある場合は受理されない可能性もあるので、その場合は、おおむね就業開始の3か月前くらいに申請すればOKと考えられます。
例えば、23年3月卒業予定、23年4月から就業開始の学生が、22年6月に内定をもらった場合は、22年6月に変更許可申請をするのが原則ですが、その後もしばらく学生としての活動、すなわち、「留学」又は「家族滞在」の在留資格に対応する活動を続けることになるため、内定獲得と同時ではなく、だいたい23年1月くらいに変更許可申請をすればいいことになります。
【アルバイトの注意】
留学生の多くは、資格外活動許可を受けてアルバイトをしている方が多いです。
資格外活動許可については、ある本体のビザ(例えば「留学」や「家族滞在」)があることを前提に、その本体のビザの活動を阻害しない限りで、一定のアルバイト等を認めるものです。
したがって、大学等で学生として活動しているうちは、アルバイトをすることが可能ですが、卒業後(正確には学校に在籍しなくなった後)から就業までに期間がが空く場合には、その空いた期間はアルバイトをすることができません。
少し脱線しますが、この「資格外活動許可」に関する違反(週28時間を超える就労、その事実が確認できなくともそれを疑われるほど大きな収入を得ている場合、認められていないパチンコ店や風俗店で働いている場合等)は、後々の日本在留継続に大きな不利益を及ぼす可能性もありますので、細心の注意を払う必要があります。
具体的には、在留期間更新許可申請の許可が下りない、永住許可が下りない、最悪の場合は不法就労罪として退去強制を受ける場合もあります。
【就職できなかった場合で、卒業後引き続き日本で就職活動を続けたい場合】
日本での就職を目指して、就職活動を頑張ったものの内定が得られない場合もあると思います。そのような場合は、一定の条件を満たすことにより、「特定活動(告示外特定活動)」として、いわゆる「就職活動目的特定活動」というビザに変更できる場合があります。
主な条件は、下記のとおりです。
・在留資格「留学」をもって在留していること
・大学、大学院、短大を卒業(修了)又は専修学校の専門課程を修了し「専門士」の称号を得ていること
・当該在籍していた学校等から推薦状を得られること
・卒業前から就職活動を行っていたこと
などです(細かくはまだあります)。
なお、このビザは、基本的に6か月の在留期間が認められ、その後1回だけ更新可能です。したがって、最長で1年在留を継続できることになります。
以上、今回は「留学生の就職」に関することを書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。