loader image

【第46回】特定技能分野別解説⑥~自動車整備分野~

長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士、竹内です。

今週もまだまだ続きます、特定技能の分野別解説ブログ。今回は「自動車整備分野」です。

【できる仕事内容】

★特定技能1号★

自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する基礎的な業務

★特定技能2号★

他の要員への指導を行いながら従事する自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する一般的な業務

※「特定整備」は、特定技能が創設された当初から3年ほど前まで「分解整備」とされていました。分解整備は、エンジンやブレーキを本体から取り外して行う整備だったのですが、特定整備は、その範囲(取り外すという行為等)を取っ払い、装置の作動に影響を及ぼす整備又は改造等(電子制御装置整備という)に拡大するとともに、対象装置として、自動運転レベル3 以上の自動運転を行う自動車に搭載される「自動運行装置」を追加し、その名称を「特定整備」に改めたものです。(国土交通省HPより一部引用)

※1号は、その特定整備を含め、自動車の日常点検、定期点検整備を行うことが日本で行うことができる業務の内容であり、2号は、自身が他の日本人を含む従業員を管理・指導しつつ、これらの業務に従事する者が対象となっています。​

※また、こちらの分野においても、上記の主たる業務内容に付随して、関連業務に従事することは差し支えありません。例えば、整備内容の説明、洗車、構内清掃、ナビ・ETCなどの取り付けなどは、あくまでも自動車整備が主たる業務である限り、これに付随して業務に従事することは問題ありません。

【外国人の要件】

★特定技能1号★※他の分野と同様、対象となる技能実習2号の良好修了者は試験免除です。

技能水準要件:自動車整備分野特定技能1号評価試験又は自動車整備士技能検定3級​の合格

日本語能力要件:国際教育基金日本語基礎テスト又はN4以上等の合格​

★特定技能2号★

技能水準試験:自動車整備分野特定技能2号評価試験​又は自動車整備士技能検定2級​の合格

実務経験:道路運送車両法第78条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場における3年以上の実務経験

※この実務経験は、自動車整備士技能検定2級​を合格した者は求められません。つまり、自動車整備士技能検定2級(以上)合格者は、それだけで外国人自身の要件を満たすことになります。​

【受け入れる所属機関(会社等)・事業場の条件】

①道路運送車両法第78条第1項に基づき地方運輸局長から認証を受けた事業場を有すること。

➁​国土交通省が設置する自動車整備分野に係る協議会の構成員であること。

③上記の協議会、国交省の調査等に協力すること。​

④特定技能外国人から、退職後等に、実務経験を証する書類(在職証明書等)の交付を請求された場合は、拒むことなくそれに応じること。

※①の「道路運送車両法第78条第1項に基づき地方運輸局長から認証を受けた事業場​」で業務に従事させなければいけません。そして、その認証要件として整備士の人数要件があります。それは、特定技能外国人が業務に従事する事業場に、一級、二級又は三級の自動車整備士、自動車車体整備士又は自動車電気装置整備士の技能検定に合格した者の数が、全従業員の数を四で割って得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを一とする。)以上であることを求めています。

つまり、実質的に「人数枠」があることになります。この場合において、1号特定技能外国人で、上述の技能水準試験で​自動車整備士技能検定3級​合格+日本語要件クリアで働く外国人は、上記の認証の際の整備士の人数に含めることができますが、自動車整備分野特定技能1号評価試験​+日本語要件クリアで働く外国人は、その人数には含めることができませんので注意が必要です。​

【その他】

・登録支援機関に特定技能外国人の支援を全部委託する場合には、当該登録支援機関も上記所属機関の条件の➁~③の条件を満たす必要があります。さらに、登録支援機関には、1級又は2級の自動車整備士の技能検定の合格者又は自動車整備士の養成施設において5年以上の指導に係る実務の経験を有する者が置かれていること。

・なお、この分野についても特定技能外国人を「派遣形態」で雇うことはできません。特定技能っ所属機関が当該外国人を直接雇用する必要があります。現時点で派遣が認められている産業分野は、農業と漁業の2分野のみです。

​※以上が、簡単ですが「自動車整備分野」の内容です。介護・建設分野のようにあらかじめ明示されている人数枠ではなく、実質的人数枠がある、ということがこの分野特有の条件ですね。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。​