長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士、竹内です。
年末年始あたりは「今年は暖冬だなぁ」と思っておりましたが、ここ数日急激に寒くなってきましたね。寒がりの私としては、とても嫌な気分ですが、冬は冬として存在してもらわないと色々まずいとは思うので、今年も冬が来てくれた、と感謝するようにします笑
というわけで、今回のブログは前回から始まった「永住者」の在留資格(ビザ)についてのつづきです。前回は「永住者」についての概要のようなことを書きました。今回は、その際に触れた永住許可を得るための3つの法定条件(素行善良条件、独立生計要件、国益適合要件)のうちの1つである「素行善良条件」について書いていこうと思います。
それでは、始めましょう。
【素行善良要件とは?】
・永住許可を取るためにクリアしなければならない条件の1つとして、素行善良要件というものがあります。これは、一言でいうと読んで字のごとく「素行が善良であること」を求めるものです。
・まず第一に「犯罪」ですね。「永住者」という在留資格は、国がある外国人に対して「日本に永久に住んでもいいよ」とお墨付きを与えるものなので、犯罪者でないことを求めるのは当然です。例えば、あなたの家に外国人を期間を定めないで住まわせなければならない場合に、その人が重犯罪者であるとき、あなたはその人を受け入れますか?ということですね。中には「犯罪者だからって全員悪い人間ではない」という方もいらっしゃいますし、それは事実です。しかし、たいていの人はやはり拒むのではないでしょうか。以下、どのような犯罪・法違反がこの規定に該当するかを簡単にみていきましょう。
・罰金、禁錮、懲役(刑法改正後は拘禁刑)の刑に処せられていると永住許可はされません。なお、執行猶予の扱いですが、執行猶予中である場合は素行善良要件を満たしません(=永住は許可されない)が、執行猶予の判決の言い渡しを受けて、その執行猶予の判決を取り消されないまま、何事もなく執行猶予期間を経過した者は、永住許可される可能性があります。(可能性がありますと書いたのは、例えば再犯であった場合など、その申請人の状況によっては現時点で素行不良と判断されない場合でも、総合的観点で永住を不許可にされる可能性もあります。)
・その他、よく質問があるものとして「道交法違反」です。要するに、駐禁、速度違反などがどの程度永住許可に影響するかです。これに関しては、例えば5年間に1~3回程度、10キロ程度の速度違反による反則金を受けているような場合は、この事実をもって即永住不許可となるものではありません。しかし、1年間に4回10キロ程度の速度違反を繰り返しているような場合は、1回あたりの罪が軽かったとしても「素行不良」と判断される可能性が高いです。つまり、ごく軽微な罪や違反であっても、それを繰り返しているようなケースも永住許可を取得するのは難しいです。
・ちなみに、道交法関係では飲酒運転、20キロを超える速度オーバーなどの重大な違反は、原則として即不許可となります。
・あと、最近増えているのが、届出義務違反による不許可ですね。中長期にわたって日本に住んでいる・住む予定の外国人の方(中長期在留者といいます)は、日本人とは異なり、入管法により入管への様々な届出義務が課されています。住所を変更した場合には住居地変更の届出、配偶者と死別・離婚した場合の配偶者に関する届出、勤務先等を変更した場合の活動機関に関する届出などです。これらの届出は、原則としてその事由が発生した日から14日以内に行わなければなりませんが、その期限に遅れて届出を行った場合や、そもそも届出をしていない場合は不許可になります。(なお、遅れて届け出た場合は、その理由をしっかり説明&立証できて、それを入管が認めれば許可してもらえる可能性もあります。例えば、病気で入院してしまい届出ができなかったようなケースは、病院にその証明書を書いてもらう等。また、単に失念して数日遅れてしまった場合は、正直にその旨を申請書類に記載して入管の判断にゆだねることになります。)
以上、永住許可を取得するための3つの法定要件の1つ目「素行善良要件」でした。この要件は、3つの要件の中でもわかりやすい(誰でも「そりゃそうだろ」と思う)内容ですね。なので、今回のブログは非常に短い内容となりました。すみません。
次回は、2つめの法定要件「独立生計要件」について書こうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。