長久手市の在留資格（ビザ）専門行政書士、竹内です。
すっかり桜のシーズンも終わり、新緑の季節に向かっていますね。あっという間に夏が来て、短い空きを超えて冬が来て、そして年末へ、という風に時間が経つのは早いんでしょうね～。
昔からよく聞くことですが「歳を取るにつれて時間が経つのが早くなる」というのは、本当にその通りですね。
４月ももうすぐ終わりです。
では、今週も頑張ってまいりましょう。
今回は、また会社関係シリーズですが、株式会社における「取締役」そして「代表取締役」について、そして、取締役会と株主総会についても言及していこうと思います。
それではいきます！
【そもそも取締役とは何ぞや？】
取締役という言葉自体は、ほぼ誰でも知っている・聞いたことがある言葉であると思います。
取締役は、株式会社における機関の一つです。従って、合同会社や合資会社、医療法人や公益財団法人・社団法人などには取締役は存在しません。
取締役という機関を説明するにあたっては、ケース分けをして説明する必要があります。
それは、
①取締役会を設置していない会社
➁取締役会設置会社
上記のいずれに当たるかでその権限が変わってきます
★「①取締役会を設置していない会社」における取締役
前回（第70回）のブログで説明したように、株式会社においては「株主総会」と「取締役」の2つの機関は必ず設置しなければなりませんが、取締役会を含むそれ以外の機関は、原則として、設置しなくてもいいことになっています。
つまり、取締役会がない株式会社はあっても、取締役がいない株式会社はありません。
このうち「取締役会がない会社」については、株主総会で取締役を選任し、その選任された取締役（１人でも複数でもOK）が会社の経営を行い、また、会社を代表します。ただし、その会社の業務に関する事項は、原則として、すべて株主総会で決議することができるため、取締役は、その決議に基づいて会社の業務を執行（経営）していくことになります。つまり、ある意味、業務執行権については独断でできる範囲が狭いと言えます。
なお、取締役が複数いる場合には、その過半数で意思決定を行います。例えば、取締役が２人の場合は、２人以上、３人の場合は2人以上、4人の場合は3人以上の合意で決定します。
この形態は、株主が少数で、かつ、その株主同士が知り合いであって、経営に直接関与したい、というタイプの比較的小規模な株式会社に多いです。
★「取締役会設置会社」における取締役
この場合、まず取締役は最低３人必要です。さらに、「①取締役会を設置していない会社」における取締役とは異なり、取締役会設置会社では、業務の執行（経営）・会社を代表するのは、あくまでも取締役会であって、取締役はその取締役会の構成員に過ぎない、という位置づけです。また、取締役会を設置していない株式会社における取締役は、個々人が会社を代表するのに対し、取締役会設置会社における取締役は会社を代表しません。
では、取締役会設置会社では誰が会社を代表するのか？
ここで出てくるが代取、すなわち「代表取締役」です。
取締役会設置会社は、必ず「代表取締役」を置かなければなりません。この代表取締役は以下のように選定されます。
1.株主総会で取締役（３人以上）選任
↓
2.「1.」で選ばれた取締役で構成される取締役会で「代表取締役」を選定する。
↓
3.以後、代表取締役のみが会社を代表する。
なお、取締役会を置いていない会社は、代表取締役を置く義務はありませんが、定款、定款に基づく互選、総会決議のいずれかの方法で代取を置くこともできます。
取締役会設置会社は、取締役会を設置していない株式会社よりも業務執行において決定できる範囲（権限）が増えるため（ただし、一定の事項に関しては、株主総会で決議する必要がある）、株主が多数であったりしていちいち都度株主総会を招集しなくともある程度の経営判断ができるので、大規模な会社や株主が多い会社については取締役会を設置した方が、事業の運営もスムーズに進むでしょう。
なお、取締役会の重要な職務として、自分たちが選んだ代表取締役の仕事について監督する、というものがあります。要するに、代表取締役が悪事等を働いていないか、監視するという役割です。
【株主総会と取締役会の関係】
この関係についても、上記同様にケース分けして考えましょう。
①取締役会を設置していない会社
➁取締役会設置会社
★「①取締役会を設置していない会社」における株主総会と取締役会の関係
取締役会を設置していない会社においては、株主総会の権限がとても強いです。一言でいうと、株式会社に関する事項をすべて決めることができます。つまり、取締役の職務執行のチェックは、株主総会が行い、取締役も株主総会の決定に基づいて職務を執行してくというイメージですね。
★「②取締役会設置会社における株主総会と取締役会の関係
この場合は、株主総会の権限が縮小します。上記「取締役会を設置していない会社」における株主総会は、株式会社に関する一切の事項を決議する権限がありましたが、取締役会設置会社においては、取締役会に一定の権限を与えることで業務執行を円滑に行うことができるようにしつつ、重要な事項については株主総会に決めさせてもらうぞ、というイメージです。
以上、今回は取締役・代表取締役、株主総会・取締役会の役割と関係性の基本的事項について書かせていただきました。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。