長久手市の在留資格(ビザ)&終活関連業務(相続・遺言・成年後見・死後事務等)専門行政書士、竹内です。
先週は、何かと外出が多い週でした。
会社勤めの頃は当たり前に毎日のように外出していましたが、行政書士の仕事を始めてからは、仕事があまりないことが一番の要因であったことは当然ですが、あまり外出をしなくなってました。
なので、先週はやけに疲れた気がしてます。
これからもたくさん外出できるように頑張ります!
では、今週も頑張っていきましょう!
今回も「終活関連シリーズ」のつづきでいきましょう。今回は「特定財産承継遺言」という難しそうな響きを持った事項について簡単に書いていってみます。
【特定財産承継遺言って何?】
これは、大雑把に説明すると「特定」の相続財産の中の「財産」を特定の相続人(一人でも数人でも)に「承継」することを内容とする「遺言」のことです。
民法では1014条第2項の条文中で「遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言」と説明されています。
つまり、次のような遺言は「特定財産承継遺言」です。
・〇〇銀行○○支店口座番号**********の預金は、Xに相続させる。
・〇〇の土地及び建物はYに相続させる。
【特定財産承継遺言のメリットと注意点】
・被相続人(亡くなった人)が、ある財産を確実に息子Xに相続させたい、というような場合には、この特定財産承継遺言を行うことによって、確実に自身の希望を叶えることができます。
・注意点としては、その財産が法定相続分を超える場合には、登記等の対抗要件を備えておかなければ他人(第三者)に対抗(権利を主張)できないということです。
例えば、配偶者と子の2人が相続人である場合で、預金1,000万円とA不動産3,000万円が相続財産であったとします。この場合、法定相続分は2分の1ずつなので、配偶者と子の相続分は各々2,000万円ずつとなります。このような場合において、遺言で「預金を配偶者に、A不動産を子に相続させる。」という遺言があったときに、子の法定相続分2,000万円を超える部分(1,000万円分)については、不動産の相続登記をしておかなければ、他人に対抗できません。
なので、他人が子より先に、何らかの手段でA不動産の登記手続きを済ませてしまうと、法定相続分である2,000万円(持分3分の2)については対抗できるものの、残りに3分の1については対抗できず、その他人との共有になってしまう可能性がある、ということです。
特定財産承継遺言があったとしても、法定相続分を超える場合には、速やかに登記等の対抗要件を備えることが必要です。
・この特定財産承継遺言は、遺贈ではありません。遺贈は、その部分のみ放棄することが可能ですが、特定財産承継遺言による財産の承継は「相続」なので、その部分のみ放棄をすることはできません。特定財産承継遺言によって承継される財産の相続を望まない場合は、相続放棄するしかない点にも注意が必要です。
以上、今回は「特定財産承継遺言」についてかなり簡単ではありますが、書いてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。