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【第93回】新制度紹介①~デジタルノマド~

長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士、竹内です。

今朝は、5時半に起きていつもどおり新聞を取りに言ったら「寒っ!!」と感じました。めちゃくちゃ懐かしい感覚でした。

例年、これと同じ感覚を覚えるのは10・11月頃のような気がするので、今年は寒くなるのも少し早いのかなぁ、と感じた月曜の朝でした。

本日は、3連休最終日にふさわしく快晴ですね。

連休最終日、楽しんでください!

では、今週も元気にスタートです。!

 

唐突ですが、終活シリーズは一旦中断して、私の最も得意分野である「外国人関連業務」についてのテーマに戻ろうと思います。

なぜなら、令和5年・令和6年と出入国在留管理関連の法令改正が相次ぎ、大きな変貌を遂げているからです。そこで、今週からしばらくは、去年・今年に始まった又はこれから始まる比較的新しい制度について解説していこうと思っております。

その第一回目は「デジタルノマド」に係る在留資格(ビザ)についてです。

 

【デジタルノマドとは?】

基本的にリモートワーク等を中心とし、場所にとらわれず、場所を転々としながら国際的な仕事をしている人達をそのように呼んでいます。

 

【与えられる在留資格について】

このデジタルノマドの人たちに与えられる在留資格(ビザ)は、「特定活動」です。つまり、デジタルノマド用に新しい在留資格(ビザ)が誕生したわけではなく、これまであった「特定活動」、その中の「告示特定活動」にこのデジタルノマドを追加する、という形が取られました。(「特定活動」については以前の「第60回」のブログをご参照ください。)

このデジタルノマドに対する特定活動は、特定活動告示の53号に追加されました。

【在留期間と家族の帯同について】

在留期間は、他の在留資格とは若干異なる定め方をされている点が注目です。

簡単にいうと、1年間で6カ月以内滞在して仕事をする、という定め方です。

通常の在留資格は、シンプルに「1年、3年、5年」等と定められますが、この在留資格はそうではありません。

例えば、1/1に上陸した場合、同じ年の12/31までの期間のうち、日本に滞在できるのは6箇月間だけということです。このケースでは、例えばこの1年間のうち自分で1月、3月、5月、6月、9月、12月の合計6か月間を選択して日本で滞在することも、1~6月まで連続して滞在することもできるということです。

逆に、2年間で6カ月間の滞在などはできないということです。

また、このデジタルノマドは家族帯同も可能です。特定活動告示の54号に追加されました。なお、後述のとおり一定の国籍を有する者でないと対象にはなりませんが、対象国籍国数は本体者(53号のデジタルノマドの在留資格を持っている本人)より多くなっています。(本体者の方が国籍要件が厳しい。)

なお、家族の範囲は「家族滞在」と同じで「配偶者と子」です。

 

【上陸のための条件】

①滞在期間

これは上述のとおり、1年間の中の6か月間です。

②国籍要件

日本と租税条約を締結している国等、一定の条件に該当する国の国籍者等であること。

これは、特定活動告示の別表14(家族は別表15)というものが定められており、それに載っている国籍国の者でないと、このデジタルノマドの特定活動は取得できない、という意味です。その数は多数に及ぶので、全部を紹介することは差し控えますが、主にアフリカの多く、中南米の多く、中東・中央アジアの多く等は除かれています(2024年8月現在)。また、日本に短期間の旅行に来る際にパスポートのみで入国できる国(査証免除国)のうちの一部、という言い方もできます。

なお、前述したように、帯同家族の国籍国は、本体者の国籍国より数が多く設定されています。

③年収要件

申請人個人の年収が1,000万円以上であることが条件です。

④海外旅行傷害保険等加入要件

日本滞在期間をカバーする死亡、負傷、疾病に係る海外旅行保険等へ加入していることが条件となっています。この要件は、帯同家族についても付されています。

【再来日・在留期間の更新について】

このデジタルノマドの在留資格で1度日本に在留し、その在留が終了した後に、再び同じ在留資格で日本で在留することもできます。

ただし、前の在留期間を終えて出国した後6カ月を経過した時以降でなければいけません。

ちなみに、在留期間の更新もできません。

【その他注意事項】

・このデジタルノマドの特定活動の在留資格ではいわゆる「中長期在留者」に当たりません。「中長期在留者」に当たらないということは、すなわち、在留カードも交付されない、住民票も対象外ということになります。

・本体者(53号)・帯同家族(54号)は、いずれも資格が活動は原則認められませんので、アルバイト等はできないことも注意が必要です。

 

以上、今回は令和6年(本年)3月から始まった新たな制度「デジタルノマドへの在留資格(ビザ)」について紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。