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【第99回】観光ビザ?親族訪問?短期滞在ビザの詳細と注意点

長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士、竹内です。

11月に入りましたね。今年2024年も残すところあと2カ月、あっという間にHAPPY NEWYEARですね。

先日、個人的にものすごくショックなニュースが飛び込んできました。

それは、母校東海大学が、箱根駅伝の予選会を突破できなかったというものです。毎年、年始の楽しみが箱根駅伝であり、母校の応援で1年が始まるというのが私の年始のルーティンでした。

それが、来年の箱根駅伝ではできないと思うと、悲しすぎます。本当に結構ショックです。でも、再来年の活躍を期待して、来年の駅伝は普通に一観客として楽しもうと思います。

では、11月1週目も元気に行きましょう!

 

前回までは「新制度シリーズ」と題して、令和5・6年改正による外国人関連手続きの新制度を紹介してきましたが、それは前回で終了させていただき、今回は「短期滞在」という在留資格について、若干深掘りしてみようと思います。日本人の方も、海外旅行へ行くときにまれに(国・地域によっては)取得が必要となりますが、それの逆バージョン(外国人が日本に観光等にくるバージョン)です。

 

【短期滞在って何?】

短期滞在も在留資格(ビザ)の種類の一つです。在留目的は「日本に“短期間”滞在して行う観光等の活動」です。

活動内容として代表的な物が、観光や親族・知人訪問、短期商用あたりです。

 

【ビザなんていらないんじゃない?】

日本人の方で海外によく行かれる人は「ビザなんて取ったことない。パスポートだけで行けるじゃん。」と思われると思います。それは、正しいです。新聞などでも時々見かけますが、日本は非常に多くの国との間で「査証相互免除」の協定を結んでいます。

これは「短期間」の観光などであれば、査証(ビザ)を免除し、パスポートだけで入国させてあげますよ、という協定です。これは、日本がそれほど多くの国に「信頼」されているとも言えます。

 

【短期間って結局どれだけの長さなの?】

原則として90日以内とされていますが、なんぼ長くても180日を超える滞在は「短期間ではない」と判断されることになっています。

外国人の方が短期滞在ビザを取得すると、一部を除き「90日」という在留期間が決定されることが多いです。なので、原則としては、その90日以内に日本に来た目的をすべて達成して、出国することが必要です。

なお、上記で述べたように「期間内に目的を全て終える」ことが前提の在留資格なので、原則として短期滞在ビザの更新は認められません。

しかし、実務上は、どうしてもやむを得ない事情(急病による入院など)があり、帰国便の確保が確認でき、帰国までの生活費等の費用も問題ないと認められる場合には、短期滞在ビザの更新も認められることがあるようです。ただし、この場合でも、本当に真にやむを得ない事情がある場合を除き、原則MAX180日までしか認められない可能性が高いです。

また、この短期間の滞在は、継続滞在に限りません。なので、1回あたりの滞在日数が短くても、日本を出国した後またすぐに短期滞在ビザで来日するというように、出入国を繰り返して事実上長期間滞在することも短期滞在には当たりません。

 

【具体的に許される活動】

★全部に共通する事項(大前提)★

・日本に生活や活動の基盤を置く意思がないこと

・報酬、収入を伴わないこと

・短期間(原則90日)で目的が終了すること

★主な具体的な活動★

・観光、旅行

・知人や親族の訪問

・アマチュアスポーツの大会への参加

・会議や会合への参加、施設や風習等の見学・講習への参加

・商用活動

・学術上、芸術上の活動

・治療、入院のための来日

・講義、講演のための来日

・大学受験や資格試験受験等のための来日

 

※「商用活動」については、就労資格と短期滞在の境目が微妙となるケースが多々あります。ここでも、上述した「共通する事項」の考え方をベースにすると比較的わかりやすいかと思います。

例えば、外国に本社があるA社の役員Xが、日本にある子会社で行われる会議に参加するため短期滞在で来日するというケースです。この場合において、XがA社から通常受けている報酬とは別に、この日本での会議に参加する場合に別途報酬が支払われるようなときは、短期滞在には当たらないと言えます。一方、特別な対価はなき、外国の本社における活動の一環として、日本の会議に参加する場合は、短期滞在に当たる、と考えられます。

つまり、日本における活動に関して、別途報酬が与えられるようなケースは「報酬を受ける活動」として捉えられるので、短期滞在には当たらないことになります。

 

※また「アマチュアスポーツ大会への参加」「講義、講演のための来日」等において、その大会の賞金や講義等に対する報酬は支払われないが、主催者等がその交通費、宿泊費などの「実費」を負担するケースも多々あります。この場合のそれらは「報酬」ではないので、上記の大前提を満たすかぎり、「短期滞在」に該当します。ただし、実費名目で、不当に高額な金銭を支払う等の行為は当然ダメです。

 

以上、今回は「短期滞在」について若干詳しく書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。