長久手市の在留資格(ビザ)専門行政書士の竹内です。
先週末は、長久手市国際交流協会主催の「くーてとーく2024」というイベントの司会をやってきました。当然ならが、司会などやったこともないですが、これも人生経験の一つだと思い、今回だけは務めさせていただきました。
台本の修正等が前日まで及んだことなどは正直めんどくさかったのですが(笑)、当日は、ほぼ台本を読むだけだったので特に緊張もせず、無難に終了することができました。
ということで、本題に入りましょう。今回は前々回から続いている「永住者」の在留資格(ビザ)についてです。今回が最終回となります。1回目は永住者の概要、2回目である前回は永住者の在留資格(ビザ)の許可要件の3つのうちの1つ「素行善良条件」について触れました。
今回は、法定の許可要件の残りの2つ「独立生計要件」及び「国益適合要件」を解説していきます。
【独立生計要件について】
・独立生計要件とは、一言でいうと「独立して生計を営むことができること」を永住者の許可要件として定めたものです。うん、そのままですね。
・具体的には、まず安定的にしっかり収入があることを過去5年間(原則として)にわたって証明する必要があります。日本に限らず、どこへ行っても「お金」がないと生活できません。市県民税課税・納税証明書で年収がチェックされます。あくまでも目安であり、申請人の個々の状況に応じて異なりますが、年収300万円が目安とされています。聞いた話では、年収290万円台でも不許可となった事例もあるとのことです。
・なお、この条件は「世帯単位」で満たしていればいいので、必ずしも申請人本人が満たしていなくても構いません。
・収入のみでなく、例えば、今はリタイアし無職であるが、過去に築いた莫大な資産や預貯金がある等であれば独立生計要件は満たすと判断されます。
・その他、申請人が有している在留資格の種類や、家庭環境(扶養家族数等)、家族環境などによっても若干条件の緩い厳しいが変わってきます。
【国益適合要件について】
・永住許可申請は、申請人の在留資格や状況などによって、許可要件が異なるので一概に案内するのは難しいのですが、この「国益適合要件」については全申請者が求められます。
1つ目は、10年在留要件です。引き続き10年以上日本に継続在留しており、かつその内の直近5年間は居住資格又は就労資格(一部を除く)をもって在留していることが求められます。具体的には、留学の在留資格で4年、技術・人文知識・国際業務の在留資格で6年、継続在留していればこの要件には適合します。
2つ目は、公的義務等の履行です。これは、税金、年金、健康保険を期限までにしっかり完納していることを求めるものです。これがかなり厳しく、対象期間内の税金等を全て支払っていても、1回でも期限に遅れていると不許可にされます。税金等以外では、日本に住んでいる外国人の方に課されている「届出義務」の不履行等も不許可にされる原因の一つです。(住居地変更の届出、配偶者に関する届出等)
その他には、公衆衛生上の条件、素行善良要件と被るような国益適合要件内の素行善良要件(大きなくくりでの素行善良要件より若干緩い)などがあります。
つまり、「国益適合要件」は、一見「国益適合要件」という1つの条件に見えますが、その中には細分化された様々な条件が存在し、それらをまとめて「国益適合要件」と呼んでいます。
【永住者に関するその他の事項】
永住者の要件は、以上のように3つの条件がありますが、すべての申請人がこの3つの条件で審査されるわけではありません。
日本人や永住者等の配偶者や子(実子・非嫡出子)、難民認定者、定住者、高度専門職の在留資格保持者等、一部の外国人の方には一部条件の免除や緩和がなされます。そして、これらの特別扱いは、よく変更されたりして複雑になっています。
永住者の在留資格(ビザ)を取得するのは簡単ではありません。しかし、在留資格の中でも最上位に位置するものなので、取得すれば、在留期間が無期限となり在留期間の更新等をする必要がなくなること、自国の国籍・市民権を所持したまま日本に永久に住むことができること、合法でさえあればどのような活動(仕事等)も日本人と同様にできること、など非常にメリットが多いです。
もし日本で安定的に永久的に住みたい場合は、永住者の在留資格(ビザ)の取得を目指すべきです。その際は、是非私共にご相談ください。先ほど永住許可は難しいと書きましたが、専門家とタッグを組んで、しっかり計画を練ってやっていけば、取得の難易度は大幅に下がります。
以上、永住者の在留資格(ビザ)についてでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。